突然の水道のトラブルにお悩みの方はまず水道修理を業者に依頼することを考えるかもしれません。

しかし、確認せずに依頼してしまったことが原因で損をしてしまうかもしれません。

水道の修理はそう頻繁に依頼するものではないからこそ、不安なことも多いはずです。

そこで、本記事では水道修理を依頼する前に知っておきたい情報や信頼できる業者を見極めるポイントについて解説していきます。

水道修理を依頼する前に

水道のような生活に欠かせないライフラインに問題が起きたら、すぐに直したいものです。

しかし、業者について調べずに修理を依頼するのは得策ではありません。

慎重に修理業者を選ばないと、他社のほうが安かったために評判の悪い業者に依頼してしまうことも。

場合によっては、作業が完了した後に修理をやり直さなければならないといった事例もあります。

水まわりでトラブルが発生した場合は、修理業者に依頼する前に以下の項目に注意して、被害を最小限にしましょう。

水漏れ箇所の応急処置

水漏れしている場合には、業者に依頼する前に応急処置をしましょう。

応急処置を行なっておくだけでも被害を抑えることができ、場合によっては修理費用が安く済むことも。

自分で修理をする場合にも応急処置を行なっておくことで、安心して作業を進めることができるケースもあります。

突然のトラブルに慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いて対処することが大切です。

止水栓を閉める

故障箇所につながる水道管には多くの場合、止水栓が備えつけられています。

蛇口の根元から水が漏れている、噴き出している等の場合には、その蛇口につながっている止水栓を閉めると水が止まります。

止水栓が見つからないときには、元栓を閉めましょう。

元栓を閉めると家中の水道が全て使えなくなりますが、ほとんどの水漏れは止まります。

止水栓・元栓を閉め、水漏れが収まったことが確認できたら、なるべく早く修理業者を呼びましょう。

補修テープを使う

排水のパイプや給水などからの軽度の水漏れであれば、水漏れ用の補修テープが活躍します。

自己融着テープ、水道用ラップテープ、防水補修テープの3つが主に水漏れ補修に使われるテープです。

これらの補修テープを使用する前には、必ず止水栓または元栓を閉めてから作業を行いましょう。

補修箇所を拭き取った後、汚れや異物が付着していないかを確認してからテープを巻き付けることで融着力の低下を防ぐことができます。

補修テープはそれぞれホームセンターや通販に500円程度で売られているため簡単に購入することが可能です。

「自己融着テープ」は真っ直ぐな配管に巻き付けるのに便利です。

耐水性、耐湿性、絶縁性に優れているので、水漏れの補修に最適です。

テープを引き伸ばしながら重ね巻きを行い、巻き終わりに全体を指で押してしっかりと圧着しましょう。

「水道用ラップテープ」は、排水管からの水漏れに使用するアイテムで、料理用のラップのようにテープ同士が密着します。

粘着剤が使われていないため、作業中に手がべたつくこともありません。

使いやすい反面、吸着力が弱い点もあるので勢いの強い水漏れには注意が必要しましょう。

「防水補修テープ」は配管のヒビ割れなど小さな隙間からの水漏れに使用します。

一見するとガムテープのようですが、高い防水性と伸縮性があるので、カーブのある管や細かい部分にも簡単に貼ることが可能です。

ただし、つまりが原因の排水管からの水漏れ等では補修テープが活躍できないこともあります。

そういった場合はバケツや雑巾を使って、被害が拡大しないようにしましょう。

賃貸の場合は管理会社に連絡

水まわりが起きたのがマンションや賃貸の場合には、忘れず管理会社に連絡をしましょう。

マンションなどの集合住宅の場合、水漏れが下の階や周りの部屋に影響を及ぼす可能性もあります。

これは階下に状況を知らせるためにも必要なことです。

必ず管理者に電話をして、その時の状況を詳細に話しておきましょう。

電話をしておくことで、管理会社から修理業者の斡旋をされるケースもあります。

老朽化による水漏れなど、住人に過失のない場合は基本的に管理会社や貸主に修理の責任を負います。

もし修理を手配してくれる場合は、管理会社とこまめに連絡を取り、今後のスケジュール等について確認しておくと安心です。

万が一、対処が遅れてしまい、階下に浸水してしまった場合、損害賠償が発生することがあります。

階下に被害を及ぼしてしまった場合、マンション購入や賃貸契約の際に加入する火災保険が利用できることもあります。

もし周辺住民に被害があった場合は保険を適用できないか、すみやかに保険会社へ連絡して対応してもらいましょう。

意図せず加害者になってしまわないためにも早めの対処が重要になります。

業者の下調べ

応急処置を済ませたら次は業者の下調べに入りましょう。

業者に依頼すると言っても、業者ごとにサービスや料金が異なっているため、何も調べずに選んでしまうと失敗してしまうかもしれません。

「サービスが悪かった」「料金が他社の方が安かった」と後悔してしまわないためにも、業者の下調べを済ませてから水道修理を依頼するようにしましょう。

業者を選ぶときのポイント

下調べをすると言ってもどのようなことに注意して水道修理業者を選べば良いのでしょうか。

大きな出費であることには間違いないので、業者選びは失敗したくないものです。

そんなとき、チェックすべきポイントを以下の項目にまとめました。

水道局指定の業者か確認

水道局指定工事店であるかどうかは、その業者が悪質かどうかを見極める大きな材料になります。

水道は生活に欠かせないライフラインのひとつ。

そのため、水道局など自治体の水道事業者は、水道法に則って適切な作業が行える業者を水道局指定工事店に認定しています。

この認可を受けていることで、不認可も水道業者では扱うことのできない工事も行うことが可能です。

また、一定の技術や機材が整っていないと認可を受けられないため、基本的には信頼して仕事を任せられるでしょう。

しかし、水道局指定工事店であってもトラブルは起こる場合もあります。

水道局指定工事店の場合はアフターサポートが充実していることが多いため、工事中の不慮の事故や不備が起きた場合にもしっかり対応してくれます。

水道局指定工事店に指定されている業者であれば、安心して工事を依頼できるでしょう。

ただし、水道局指定工事店といえども確認は必要です。

通常、水道局指定工事店は上水道と下水道の二種類も指定と認可を受けています。

その中には上水道の指定しか受けていない業者も存在します。

上水道の指定を受けるために必要なのはペーパーテストだけのため、なかには技術が伴っていない業者も残念ながら存在します。

依頼の前に、必ず上下水道の両方の指定を受けていることを確認しましょう。

料金が適正か見定める

料金が適正かどうかは業者選びの時に非常に大切な工程になります。

もし具体的な相場が知りたいときは相見積もりを活用しましょう。

相見積もりとは「複数社に修理の見積もりをお願いする」ことです。

相場が分からない場合、この相見積もりが役に立ちます。

見積もりが高過ぎたり、低過ぎたりする場合には、よく見積もり内容を確認させてもらい、何が原因でその値段になっているのか検討しましょう。

「大半の業者が似たような金額なのに、この業者だけ高い」という場合では、不要な部品交換を行っている可能性も考えられます。

反対に他の業者が見落とした修理箇所をその業者だけ見つけたということもあるでしょう。

ただし、基本的には並外れて高額な見積もりを出す業者は候補リストから外すことも考えておかなくてはいけません。

もし、見積もり内容に疑問が生じた場合には、他の業者が指摘している内容が実際どうなのか確認してもらう方がいいでしょう。

高過ぎる場合とは反対に、見積もりが他社と比べて安過ぎる場合にも注意しなくてはいけません。

安過ぎる業者には、その値段にしなければならない理由が必ずあるはずです。

その中には、技術力に問題がある、作業スピードが遅い、アフターサービスが無いなど、その金額でなければ仕事が取れないとった理由が挙げられるでしょう。

見積もりが安かったという理由だけで業者を選んでしまい、最終的に高額な料金を請求されたという事例もあります。

適正価格を払って適切な修理をしてもらうことこそが、業者と依頼者の両方が満足のいく取引と言えるでしょう。

あまりにも安過ぎる業者に頼んで不要なトラブルに巻き込まれないようにしましょう。

また、出張費と時間外費用についてはホームページの記載を確認しましょう。

出張見積もりが無料であっても条件次第では出張費がかかることもあります。

業者ごとに料金制度が異なるため、依頼する側からすると少々ややこしいシステムが存在することも。

時間外についても同様で、作業料金は安くても、時間外費用がかかってしまって結果的には高額になったというケースもあります。

そのため、時間外の作業にかかる費用についても、問い合わせておくといいでしょう。

どれだけの実績があるか

依頼する業者にどれだけの実績があるかについても確認しておきたいところです。

実績があるということはそれだけ多くの人に長い期間依頼され続けてきた、いわば信頼の証でもあります。

もちろん、マーケティングが上手くいったこともありますが、真っ当なサービスを提供していなければリピーターがつかず廃業に追い込まれてしまいます。

創業年数や施工数について確認してみて、信頼できる業者かどうかをチェックしてみても良いでしょう。

駆けつけ時間

水まわりのトラブルが起きてしまった場合、なるべく早く駆けつけて欲しいというのが正直なところ。

そのため、駆けつけにかかる時間というのも業者選びのポイントの一つです。

水漏れがひどく、一分一秒を争うような状況のことも考えると駆けつけに時間がかからない業者を選ぶのが得策です。

即日対応はもちろん、遅くとも1時間前後で駆けつけてくれる業者を選んでおくと安心でしょう。

また、営業時間が24時間であれば深夜や早朝に起きたトラブルにも対応してくれます。

仕事の関係上、深夜や早朝にしか依頼できない場合にも24時間営業の業者が役立つので、営業時間にも注意しておくと良いでしょう。

対応エリア

さまざまなポイントをチェックして、ようやく工事をお願いしたいと思える業者が見つかっても、水道工事を行う場所が対応エリア外ということも。

対応エリアに該当していない場合は依頼を受け付けてもらえないこともあります。

また、もし受け付けてもらえても出張料金として追加の料金を請求されてしまうこともあるでしょう。

作業料金が相場通りのものであっても、出張料金が追加されることで予想外の金額を請求されることも考えられます。

また、テレビなどのメディアで広告を出しているような大手業者に依頼した際に、実際に駆けつけてくれたのが地元の水道業者ということもあります。

これは地元の水道業者が大手業者と下請契約をしているためです。

もし過去に一度、大手業者に依頼をしたことがあるなら、次から大手業者を経由する必要はありません。

直接、前回駆けつけてくれた地元の水道業者に連絡してみましょう。

大手業者が間に入っていない分、前回よりも安く修理をしてもらえるかもしれません。

また、家から事業者が近ければ緊急時などにもすぐ対応してもらえるので安心です。

アフターサポート

修理をしたからといって、二度とその部分が壊れないわけではありません。

パーツを交換した場合はともかく、一度壊れた箇所は新品のものに比べてしまえば強度が弱くなってしまっているのも当然です。

修理後しばらく経ってから、同じ箇所から同様の症状が現れることもあるでしょう。

修理に不備があってすぐに症状が再発してしまったといった事例もあるため、アフターサポートの内容についての確認は必ず取りましょう。

水道業者の中には修理後の破損をオプションで対応していることもあります。

実際にトラブルが起きてしまった時に慌てないためにも、日頃から地元の水道業者を調べておくことをおすすめします。

接客対応

接客対応から業者を見極めることも必要です。

例えば、見積もり内容の確認を嫌がる業者は避けるようにしましょう。

多くの水道工事業者では見積もりは無料で行っており、見積もり後に見積書を送ってもらうことも可能です。

見積もりの内容を確認せず、作業を開始されてしまうと適切な料金なのかどうかも不明です。

確認しなかった結果、高額料金の請求といったトラブルに見舞われる恐れもあります。

そのため、金額はもちろんですが、見積書の内容にも目を通しましょう。

もし内容を確認させてくれたとしても「水道工事一式」などといった曖昧な見積もり書を見せられるかもしれません。

しかし、簡素過ぎる見積もり書では工事内容をはじめ、どんな作業にどれだけの料金が必要なのかも分かりません。

少しでも正確な見積もりを出し渋るようであれば、依頼する業者の候補から外すことも視野に入れなくてはいけません。

以上から見積もり書は業者を選定する際に必須のアイテムとも言えるでしょう。

また、出張見積もりを依頼するなら、電話がおすすめです。

メールで対応してくれる業者もありますが、電話ならすぐに回答してくれるため、急いでいる場合にも役立ちます。

ここで注目したいのが、電話口での応対です。

高圧的な応対をされるなど、少しでも不審感を感じた場合には、別の業者にあたることも考えましょう。

電話口での応対が丁寧であったとしても出張見積もり時の業者の対応には気を配りましょう。

挨拶、身だしなみ、言葉遣いなど、当たり前のことが当たり前にできているかは大切な要素です。

あまりにも粗暴な言動や、挨拶がない、素っ気ない対応をするようでは、工事を任せるとなった時に不安が残ります。

マナーもしっかり守って丁寧に説明してくれる親切な作業員の方であれば、安心して相談できますね。

また、ほとんどの業者は作業に取り掛かる前に見積もりと一緒に簡単な工事の概要を説明してくれます。

説明なしに工事に取り掛かった場合には質問をして、どのような作業なのか把握しておきましょう。

見積書に記載のない作業は必要の無い部品交換など、不審な点はその場で解消しておくのが一番です。

依頼したら後は丸投げするのではなく積極的に関わって、トラブルに見舞われないように努めましょう。

口コミ

インターネットで、「会社名　評判」等で検索すると、関連したレビューがたくさん出てきます。

その中でも、できるだけ信ぴょう性のあるレビューを参考にしましょう。

匿名のレビューや大昔のレビューの他にも、根拠のない誹謗中傷ばかりを書いているアカウントが書き込みをしている可能性も。

工事の不満や良かった部分を具体的に述べているものがあれば、信用して参考しても良いでしょう。

さらに、そのレビューに対して事業者が返信をしているかもチェックしてみてみ良いかもしれません。

事業者がどのようにレビューに対して対応しているかも確認ができます。

もし、知り合いに水道修理業者の方がいれば、その人に聞いてみるという手もあります。

業界内での評判は絶対ではありませんが、ネットの書き込みよりは信用できます。

水道修理業界に詳しい人がいない場合でも、ご近所さんにおすすめの業者を聞くのも良いかもしれません。

実際に依頼したことのある知り合いの感想であれば、信頼できる情報となるでしょう。

その場合はできるだけ一人だけではなく、多くの人に聞いてみると、地元に根づいた腕のある業者を教えてもらえるかもしれません。

このように、インターネット以外にも実際に対面で話を聞くなどして、より多くの評判を集めてから判断できると優良な業者を選ぶことができます。

水道修理の料金相場

水道修理にはさまざまな種類があり、トイレ・キッチン・浴室等といった場所の違いもあれば、蛇口・排水・給湯器といったようにトラブルの原因も数多く存在します。

そのため、水道修理の料金相場を一概に表現することは難しいのです。

修理を依頼したい内容について検索してみると、実際に自分が依頼したい修理が最低でどの程度の料金がかかるのかがわかります。

その際、水道修理業者によって料金表示の方法にバラつきがあることには注意しましょう。

「安いと思って頼んだのに思っていたよりずっと高額になった」といったトラブルを耳にすることもあるでしょう。

作業料金という同じような記載であっても、そこに含まれている料金が業者によって異なります。

必ず料金の内訳についてもホームページで確認しておくようにしましょう。

無料の表記をしていても、修理作業を依頼しない場合は見積もりに料金がかかってしまう業者もあるので、見積もりを依頼する前に無料になる条件についての確認が必要です。

水道修理業者を呼んだ方が良い場合

ご家庭で水まわりのトラブルが発生した場合、安く済ませるためにもできる限り自分で修理したいと思います。

しかし、どうしても水道修理業者を呼ばなくてはいけないシーンも少なくありません。

有資格者でないとできない作業は、基本的に業者に依頼する必要があります。

また、資格が必要ない場合でも、水道に関する一定の知識や経験がないと水道修理は困難です。

水道修理業者に依頼すべきかどうかについては、以下の項目を参照してください。

資格が必要な修理の場合

以下の水道工事には、水道局指定の工事店でなければできない作業や、特殊な工具を使用する作業がありますので、それぞれの技術や設備を持った業者に依頼する必要があります。

水道の新設・改修等の工事
→法律により、地方自治体が指定する水道事業者（水道局指定の工事店）に業務を依頼する必要があります。

つまりの除去と予防のための排水管洗浄
→強力な業務用高圧洗浄機を使用しているため、一般家庭では使用できません。

給湯器の交換
→給湯器メーカーまたは給湯器を取り扱う修理業者に相談してください。

自分で修理できなかった場合

比較的簡単な修理に使用する交換の部品や工具はホームセンターで入手できます。

DIYの経験があれば、下記のような作業は自分で修理することも可能です。

蛇口等のパッキン交換
→交換用のスペアパーツはホームセンターで購入でき、比較的簡単に修理できます。
水道修理会社に依頼すると材料費がかかりますが、交換部品を用意してくれます。

普通便座の交換
→便座の交換は、ウォシュレットでなければ難しい作業ではありません。

しかし、場合によっては上記の修理でも難しい場合があります。

簡単な修理という情報があっても難しいと感じたら失敗してしまう前に業者に依頼するようにしましょう。

修理難易度が高い場合

下記のような複雑な構造の水栓金具や電気工事を伴う修理も可能ですが、修理内容が非常に難しい上に感電の危険があるので、水道修理業者に依頼するようにしましょう。

レバー水栓、サーモスタットミキサー、シャワー水栓等の修理
→DIYを始めても修理が完了せず、最終的には業者に依頼するケースが多い。

ウォシュレット（温水洗浄便座）の交換
→ 水漏れ、漏電、感電の恐れがあります。

まとめ

今回は、水道修理や業者に依頼する際の注意点についてご紹介しました。

生活に欠かせないトイレやキッチンなどの衛生設備が使えないのは非常に不便な上、修理業者に頼んでも良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。

水道修理は難しいものが多いため、基本的には業者に依頼するのがおすすめです。

その際はまず応急処置を行い、今回紹介したポイントを押さえて業者を選びましょう。

水道のトラブルが起きてから水道業者を探すこともあるかもしれませんが、事前に信頼できる水道業者を見つけておくと、トイレ以外のバスルームやキッチンなどの水道工事を一通り任せることができます。

水漏れやつまりなど水まわりのトラブルは、一刻も早く解決したいかと思いますが、落ち着いて対処するようにしましょう。