2023.04.27
配管
下水から悪臭がする原因は?トイレ・キッチンなどの臭いを解消する方法を解説
雨の日や湿度の高い梅雨の時期になると下水の悪臭や、卵が腐ったような悪臭を感じられることはないでしょうか?
ご家庭のトイレやキッチンなど、水まわりから悪臭が漂ってくる場合は、水のトラブルが潜んでいるかもしれません。
本記事では下水から悪臭がする原因と、トイレ、キッチン、浴室、洗面所、洗濯場など水まわり設備の臭いを解消する方法について解説していきます。
下水の悪臭の原因は複数あり、原因によって対策方法も変わってきます。
ここでは室内で下水の臭いがする4つの原因について解説します。
この構造をトラップ(排水トラップ)といいます。
排水トラップが設置されている場所は、一般的に水まわり設備の排水口のすぐ下です。
この排水トラップをよく見て見ると「ゴミ」「ぬめり」「赤カビ」は発生していないでしょうか?
ゴミ受けは普段から清掃する方もいると思いますが、このゴミ受けからすり抜けた細かなゴミは排水トラップに溜まります。
そのまま放置すると、雑菌やカビが繁殖し悪臭を発生させる大きな要因となります。
排水トラップは常に水が溜まっていて、雑菌の栄養分となるゴミや食べかすが定期的に流れてくるため、汚れが溜まり悪臭を発生しやすい箇所となります。
しっかりメンテナンスをしているのに下水の悪臭がする場合は、排水管のトラブルの可能性があります。
例えば、キッチン下の収納スペースを開けた時に悪臭がしないかチェックしてみてください。
もし下水のような悪臭がする場合は、排水管のまわりでトラブルが発生している可能性が出てきます。
収納スペースの奥にある排水管の接続部分に、隙間や亀裂はないでしょうか?
もし亀裂や隙間が発見できた場合、そこから下水の悪臭が漏れてきている可能性が高いです。
排水管に亀裂が生じていた場合は、排水管周りが腐食して悪臭が発生していることもあります。
また排水管に隙間ができてしまっている場合には、下水の悪臭に加えてゴキブリなどの害虫が屋内に入ってくることもあります。
排水管周りで、隙間や亀裂を発見したときにはすぐに塞いでしまうようにしましょう。
1ミリ程度の隙間でも害虫や悪臭は侵入してきます。
水まわりの設備には必ず必要になる仕組みです。
封水とは、排水トラップ内に留まっている水のことを指します。
例えば、暫く使用していなかった部屋で下水臭さを感じた経験はないでしょうか?
封水は水が溜まっているだけなので、時間の経過と共に蒸発してしまいます。
封水が蒸発した結果、下水管と部屋の中が繋がってしまい悪臭が侵入してきます。
この下水臭さは強烈で、部屋中が下水臭くなってしまう程です。
出張や旅行で家を長く空け、帰宅した時にモワッとした下水臭さを感じた時は、一度水回りの水を出しっぱなしにして封水を溜めてみると、劇的に改善されることがあります。
このような場合は、封水切れが原因であるため、水まわりを普段通り使っているだけで下水臭は無くなります。
ただし、毎日水まわりを使っているのに封水が無くなってしまうような場合には、誘因現象などの排水管の気圧の問題が考えられます。
排水管は、その名の通り使い終わった汚水を外へ流す為の配管です。
その性質から、カビ・雑菌が繁殖しやすい環境となります。
ゴミ・食べ物の残りかす・油分などが排水管内にこびりつき、腐敗していくことで下水の臭いを発生させます。
封水より下にある排水管であれば封水が臭いを防いでくれますが、封水から上にある排水口の間の汚れの場合は、悪臭が室内へ侵入してきてしまいます。
特に洗面台には「オーバーフロー用の穴」が開いている為、この内部でも雑菌やカビが繁殖しやすくなります。
何年も水まわりの掃除をしていない場合は、海苔のようなヘドロが大量に発生していることもあります。
キッチンが下水臭い時の確認ポイントは
①排水口や排水トラップの汚れ
②ワンの破損やズレ
③排水ホースの汚れ
④排水マスまわりのトラブル
があります。
一つずつ確認する方法を書いていきますので、ご自身のキッチンからくる臭いの原因を突き止めていきましょう。
あまり掃除されていない方は特に注意です。
排水口や排水トラップの表面や側面に、ヌルヌルとした汚れが付着していませんか?
酸化した油汚れと水アカの汚れが混在して、頑固な汚れになっていることが多いです。
このような排水口や排水トラップの汚れは、一度取り外して掃除をする必要がありますが、次の手順で簡単に行えるので紹介します。
①シンクの排水口のフタを外す。
ネットを付けている場合はネットも外してください。
②-➀ワントラップの場合:排水ワンを左に回して外す。
➁-➁S字P字トラップの場合:取り外さずワイヤーブラシを使って掃除する
※取り外しは可能ですが、工具とパッキンが必要となります。
③排水トラップ、排水口を中性洗剤と歯ブラシを使って掃除する。
④水で汚れをキレイに洗い流し、逆の手順で元に戻して完了です。
この排水ワンが排水管を覆っており、その周りに水が溜まっていることで害虫や臭いが上がってくることを防いでくれています。
排水ワンが排水管からズレてしまっていたり、破損していて本来の「蓋をする機能」を失ってしまうことが下水臭さの原因になります。
でも安心してください。対策方法はとてもお手軽です。
排水ワンはAmazonなどのネットで購入可能です。
取り外しも「上に引き抜くだけ」と簡単なので、ワンを取り外した後に同じサイズのワンを取り付けるだけで下水臭を改善することが出来ます。
また排水ワン本体にヌメリやカビが付着している場合は、取り外してスポンジで清掃することで「雑菌臭」を減らしましょう。
掃除が面倒な方は、排水ワンごと交換してしまうほうが早いかもしれません。
排水ホースの汚れは、悪臭や詰まりの原因になります。
軽いつまりであればお湯とタオルだけで対処できますので、簡単な対策方法と注意点をお伝えします。
①排水口のフタを外す。ネットを付けている場合はネットも外してください。
②シンクに50°程度のお湯を張る。
※熱湯は排水管や排水ホースを傷めるため厳禁
③ある程度お湯が溜まったら、排水口を塞いでいるタオルを引き抜き、一気に詰まりの原因を押し流します。
ゴボゴボっと水が流れていけば成功です。
シンクに溜めたお湯が流れていかない場合は、重度の詰まりの可能性もあるので、パイプクリーナーやラバーカップ(スッポン)を使ってみましょう。
排水マスとは、キッチンなどの水まわり設備から、排水が詰まらないように一定間隔で設置されている排水設備です。
排水経路の点検口の役割も兼ねています。
キッチンから流れる排水に含まれる異物と、水が分離して流れるような作りになっています。
排水マスには固形物や汚れが溜まるような構造のため、排水マスには少しずつ油汚れなどの異物が蓄積していきます。
この排水桝が詰まらないようにする為には、半年から1年に1回程度は排水マスを清掃する必要があります。
排水マスが下水臭の原因となっている場合は、素人では対策が難しいので、水道修理業者を頼るようにしましょう。
毎日使うトイレから下水の悪臭がすると、とても不快ですよね。
下水臭いトイレは一刻でも早く外に出たくなります。
トイレから下水臭がする原因は主に4つです。
それぞれの対策についても併せて解説していきます。
便器内の封水が切れると、排水管からの悪臭がトイレ内に直接入り込んできます。
この封数切れを防ぐ対策は、大きく分けて2つあります。
1.長期間(1ヶ月以上)トイレを使用しない時
・便器にラップをして封水の蒸発を防ぐ
・市販の蒸発防止剤を入れておく
2.排水管の詰まりを取る
・排水管の洗浄を行う
となります。
封水の蒸発を防ぐのは簡単です。
ですが排水管の詰まりが起きているケースでは、どこで何が詰まっているかによっても対策が変わってきますので、水道修理業者に相談しましょう。
詰まりが起きると、汚水がうまく流れずにトイレ内にたまってしまい、悪臭を放つことがあります。
よくある例では、トイレットペーパーを大量に使用してしまい、排水管内に詰まってしまうことがあります。
特に、安価なトイレットペーパーを使用する場合は紙質が硬く詰まりやすいため、使用量には注意が必要です。
対策としては、「こまめに水を流す」「排水管洗浄を行う」「水道修理業者に依頼する」「市販の薬剤で洗浄する」方法があります。
自分で試してみて、悪臭が消えないようなら水道修理業者へ相談しましょう。
1ミリでも隙間ができてしまうと、その隙間から下水の臭いが直接上がってきます。
原因としては「床フランジの劣化、割れ」が考えられます。
トイレ交換直後であれば便器の設置不良の可能性が高いです。
対策としては「便器の再設置」「便器と床の隙間をコーキング剤で埋める」方法があります。
ただし、コーキング剤を使う場合はデメリットがあり、「見た目が悪くなる」「少しの衝撃で隙間ができやすい」といった事があります。
キチンと直すためには、業者に依頼して便器の再設置を行うようにしましょう。
排水管内の気圧が変化することで、封水が吸い込まれたりしてトイレから悪臭が発生することがあります。
これを誘引現象と呼んでいます。
主な原因は排水管のつまりです。
排水経路の一部分で詰まりが発生することにより、気圧が低い部分が現れ封水が引っ張られて排水管内へ引き込まれます。
また排水管内の詰まり部分が腐敗し、さらに強烈な悪臭を放つこともあります。
対策としては「排水管の高圧洗浄」「通気管の設置」が挙げられます。
通気管とは排水管に空気の逃げ道を作ってあげる事で、一定の気圧を保ちスムーズに流れるようにサポートしてくれる部分になります。
お風呂場が下水臭い原因は、排水管に問題があることが多いです。
以下では、お風呂場で下水の臭いがあがってくる原因と対策について紹介します。
ヘアキャッチャーとは、洗い場の排水口に付いていて「髪の毛」「石鹸カス」などが排水管に流れていかないようにしているフィルターのことを指します。
人間の髪の毛は、1日に50本〜100本程度抜けると言われていて、洗髪時の抜け毛が最も多くなります。
その結果、ヘアキャッチャーにもかなり髪の毛が貯まりやすく、こまめに掃除していないと悪臭の原因となります。
髪の毛は単体では悪臭を放ちませんが、石鹸カスや皮脂などが髪の毛と絡み合いながら蓄積することで悪臭を放ちます。同時に雑菌も多数発生し、ガンコな汚れとなっていきます。
対策としては、入浴後はヘアキャッチャーを掃除するのが一番です。
毎日は出来なくても、一週間に一度はヘアキャッチャーを掃除するようにしましょう。
この状態が続くと、排水管内の水が滞留してしまい下水臭が発生することがあります。
お風呂場の下は給湯管も通っていることから、排水管の周辺温度も高く悪臭が発生するには好条件が揃っています。
対策方法としては「薬剤洗浄」「排水管の高圧洗浄」になります。
場合によっては排水マスの清掃も必要となります。
自分でできる対策を行っても悪臭がする場合は、水道修理業者に点検してもらいましょう。
排水トラップは、排水管と室内を分ける重要な働きをしています。
この排水トラップで、なにかしらのトラブルが起きてしまうと悪臭が浴室内に侵入してくることがあります。
例えば「排水トラップの割れ」です。
排水トラップが割れてしまう事で、封水を溜めることができずに下水の悪臭が侵入してきます。
排水トラップのトラブルが原因で下水臭が上がってきている場合は、排水トラップを交換することで対処できます。
自分で交換できるような排水トラップもありますので、状況に応じて「自分で交換する」「業者に依頼する」か決めましょう。
風呂釜が臭う原因としては「酸化鉄の臭い」「水垢やカビによる臭い」が考えられます。
風呂釜内部で発生している悪臭は、目で見えない部分になるので判断は難しいですが、定期的な清掃で悪臭対策が可能です。
一般的な対策方法としては、風呂釜専用の洗浄剤で清掃をする方法です。
各メーカーから様々な洗浄剤が販売されています。
おすすめの洗浄ペースとしては月に1回が理想です。
ただし、使用上の注意をキチンと守り洗浄しましょう。
場合によっては風呂釜を痛める可能性もあるので注意が必要です。
キレイに清掃していても悪臭が改善されない場合は、他に原因がある可能性が出てきますので、給湯メーカーや水道修理業者に相談しましょう。
汚れや雑菌の繁殖、排水管の破損が挙げられます。
洗面所が下水臭い時の対策方法を紹介します。
これは排水パイプになんらかのトラブルが起きていることが原因です。
主な原因としては「排水パイプの破損」「排水管との繋ぎ目の破損」が考えられます。
対策方法としては、排水パイプの交換をすることです。
ただし、排水パイプの形状や素材が様々ありますので、自宅に付いている排水パイプと同一の商品を選びましょう。
また、排水管との接続部分にも注意が必要です。
すこしでも隙間があると、下水臭が侵入してきます。
自分で交換するのが難しい場合は、水道修理業者へ相談しましょう。
洗面所では「歯磨き」「洗面」「洗髪」「手洗い」を行いますので、皮脂・髪の毛・歯磨き粉などが蓄積して詰まることがあります。
さらに常に濡れていて湿気があるため、雑菌の繁殖スピードが早いです。
気が付いた時にはヘドロのような汚れがびっしり付着していて、悪臭を放っていることもあります。
対策方法としては、やはりこまめな清掃と換気となります。
雑菌が繁殖する元となる汚れの蓄積を無くし、清潔に保つことで雑菌の繁殖を抑えます。
さらに換気をすることで湿度が高い状況をを抑えると完璧です。
すでに汚れがひどい場合は、後述する清掃方法でキッチリとお掃除をしてみましょう。
ここからは「普段からできる悪臭対策の方法」について紹介します。
普段からキチンと水まわりのお手入れをしていれば、悪臭に悩む必要はありません。
簡単にできる予防法ですので、参考にしてみてください。
クエン酸水は汚れを落とすだけでなく、消臭効果もあります。
作り方は簡単です。
まずは「クエン酸」「スプレーボトル」を用意して下さい。
100均で手に入ります。
【水100mlに対して小さじ半分のクエン酸】を混ぜて、排水口やヘアキャッチャーにスプレーしましょう。
毎日スプレーすると効果的です。
腐敗するものも多く油分も多く使う事から、一番汚れやすい水まわりです。
また、排水トラップ内も雑菌が繁殖しやすいので、毎日洗剤を使ってシンクのお掃除をすることで悪臭の発生を防ぐことができます。
キッチンでは酸性の汚れが多い為、お掃除の際にはアルカリ性の洗剤を使用しましょう。
洗剤を選ぶときに、容器の裏の説明文の記載を確認して購入しましょう。
洗濯機の排水ホースを排水口に差しっぱなしの方がほとんどかと思います。
洗濯場の排水口にも排水トラップが設置されていて、排水トラップにトラブルが起きると下水の悪臭があがってくることがあります。
「排水ホースが抜けていないか」「排水口周辺で悪臭がしないか」「排水口から水があふれてきていないか」など、こまめに点検して、いち早くトラブルに気付けるようにしておきましょう。
水道業者なら排水経路を熟知していて、専門の工具も持ち合わせている為、定期的にメンテナンスしてもらう事で悪臭のトラブルを防いでくれます。
ただし、悪質な水道業者も存在する為、普段から掛かりつけの水道業者を見つけておくと安心です。
ここまで下水の悪臭があがってくる原因と対処法について解説してきました。
悪臭の原因は、目で見て直接確認することが難しいので、普段からのお掃除やメンテナンスが重要になります。
記事内で消化したメンテナンスを行っていても悪臭が改善されない場合は、排水設備に問題がある可能性が高くなります。
このような場合は、無理せずにプロの水道修理業者に相談しましょう。
費用は掛かってしまいますが、今後安心して水まわりが使えるように修理をしてもらえます。
水道修理業者選びのポイントとしては、水道局指定工事店など地元密着の水道業者を選びましょう。
例えば、水PROなら地域は限られますが100以上の水道局指定工事店となっています。
下水臭の主な原因は排水設備の不具合か汚れによるものが大半です。
汚れに関しては、日頃のメンテナンスにより予防可能です。
排水設備のトラブルや、悪臭の原因がわからないようなケースではプロの修理業者に相談しましょう。
水道修理業者は全国に多数あり、業者選びに迷うと思います。
水PROであれば、「水漏れ修理」「排水詰まり修理」「水まわりの部品交換」「水まわりリフォーム」と水道設備の事はなんでも相談を受けてくれます。
下水の悪臭も、改善されない場合には相談してみてはいかがでしょうか。
最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。
ご家庭のトイレやキッチンなど、水まわりから悪臭が漂ってくる場合は、水のトラブルが潜んでいるかもしれません。
本記事では下水から悪臭がする原因と、トイレ、キッチン、浴室、洗面所、洗濯場など水まわり設備の臭いを解消する方法について解説していきます。
室内から下水の臭いが上がってくる4つの原因や理由
室内から下水の臭いが漂ってくると、どこから臭ってくるのか確認したくなると思います。下水の悪臭の原因は複数あり、原因によって対策方法も変わってきます。
ここでは室内で下水の臭いがする4つの原因について解説します。
原因①排水トラップの汚れ
水まわりの排水口や排水管は、虫が屋内に侵入することを防止する構造になっており、この構造が下水の臭いも防いでくれています。この構造をトラップ(排水トラップ)といいます。
排水トラップが設置されている場所は、一般的に水まわり設備の排水口のすぐ下です。
この排水トラップをよく見て見ると「ゴミ」「ぬめり」「赤カビ」は発生していないでしょうか?
ゴミ受けは普段から清掃する方もいると思いますが、このゴミ受けからすり抜けた細かなゴミは排水トラップに溜まります。
そのまま放置すると、雑菌やカビが繁殖し悪臭を発生させる大きな要因となります。
排水トラップは常に水が溜まっていて、雑菌の栄養分となるゴミや食べかすが定期的に流れてくるため、汚れが溜まり悪臭を発生しやすい箇所となります。
原因②排水管のトラブル
ゴミ受けや排水トラップをしっかり掃除しても、下水の臭いが消えないケースもあります。しっかりメンテナンスをしているのに下水の悪臭がする場合は、排水管のトラブルの可能性があります。
例えば、キッチン下の収納スペースを開けた時に悪臭がしないかチェックしてみてください。
もし下水のような悪臭がする場合は、排水管のまわりでトラブルが発生している可能性が出てきます。
収納スペースの奥にある排水管の接続部分に、隙間や亀裂はないでしょうか?
もし亀裂や隙間が発見できた場合、そこから下水の悪臭が漏れてきている可能性が高いです。
排水管に亀裂が生じていた場合は、排水管周りが腐食して悪臭が発生していることもあります。
また排水管に隙間ができてしまっている場合には、下水の悪臭に加えてゴキブリなどの害虫が屋内に入ってくることもあります。
排水管周りで、隙間や亀裂を発見したときにはすぐに塞いでしまうようにしましょう。
1ミリ程度の隙間でも害虫や悪臭は侵入してきます。
原因③封水がなくなった
「封水」といった言葉をご存知でしょうか?水まわりの設備には必ず必要になる仕組みです。
封水とは、排水トラップ内に留まっている水のことを指します。
例えば、暫く使用していなかった部屋で下水臭さを感じた経験はないでしょうか?
封水は水が溜まっているだけなので、時間の経過と共に蒸発してしまいます。
封水が蒸発した結果、下水管と部屋の中が繋がってしまい悪臭が侵入してきます。
この下水臭さは強烈で、部屋中が下水臭くなってしまう程です。
出張や旅行で家を長く空け、帰宅した時にモワッとした下水臭さを感じた時は、一度水回りの水を出しっぱなしにして封水を溜めてみると、劇的に改善されることがあります。
このような場合は、封水切れが原因であるため、水まわりを普段通り使っているだけで下水臭は無くなります。
ただし、毎日水まわりを使っているのに封水が無くなってしまうような場合には、誘因現象などの排水管の気圧の問題が考えられます。
原因④排水管内の汚れ
下水臭がする原因の4つ目は、排水管の内側の汚れからくる臭いです。排水管は、その名の通り使い終わった汚水を外へ流す為の配管です。
その性質から、カビ・雑菌が繁殖しやすい環境となります。
ゴミ・食べ物の残りかす・油分などが排水管内にこびりつき、腐敗していくことで下水の臭いを発生させます。
封水より下にある排水管であれば封水が臭いを防いでくれますが、封水から上にある排水口の間の汚れの場合は、悪臭が室内へ侵入してきてしまいます。
特に洗面台には「オーバーフロー用の穴」が開いている為、この内部でも雑菌やカビが繁殖しやすくなります。
何年も水まわりの掃除をしていない場合は、海苔のようなヘドロが大量に発生していることもあります。
下水臭いときの原因と対策【キッチン編】
ここからは、キッチンが下水臭い時の原因と対処方法を解説していきます。キッチンが下水臭い時の確認ポイントは
①排水口や排水トラップの汚れ
②ワンの破損やズレ
③排水ホースの汚れ
④排水マスまわりのトラブル
があります。
一つずつ確認する方法を書いていきますので、ご自身のキッチンからくる臭いの原因を突き止めていきましょう。
排水口や排水トラップの汚れ
キッチンが下水臭い場合は、まず排水口や排水トラップの汚れが原因の可能性があります。あまり掃除されていない方は特に注意です。
排水口や排水トラップの表面や側面に、ヌルヌルとした汚れが付着していませんか?
酸化した油汚れと水アカの汚れが混在して、頑固な汚れになっていることが多いです。
このような排水口や排水トラップの汚れは、一度取り外して掃除をする必要がありますが、次の手順で簡単に行えるので紹介します。
①シンクの排水口のフタを外す。
ネットを付けている場合はネットも外してください。
②-➀ワントラップの場合:排水ワンを左に回して外す。
➁-➁S字P字トラップの場合:取り外さずワイヤーブラシを使って掃除する
※取り外しは可能ですが、工具とパッキンが必要となります。
③排水トラップ、排水口を中性洗剤と歯ブラシを使って掃除する。
④水で汚れをキレイに洗い流し、逆の手順で元に戻して完了です。
ワンの破損やズレ
排水(椀)ワンとは、排水口の中にあるお椀型の排水トラップのことを指します。この排水ワンが排水管を覆っており、その周りに水が溜まっていることで害虫や臭いが上がってくることを防いでくれています。
排水ワンが排水管からズレてしまっていたり、破損していて本来の「蓋をする機能」を失ってしまうことが下水臭さの原因になります。
でも安心してください。対策方法はとてもお手軽です。
排水ワンはAmazonなどのネットで購入可能です。
取り外しも「上に引き抜くだけ」と簡単なので、ワンを取り外した後に同じサイズのワンを取り付けるだけで下水臭を改善することが出来ます。
また排水ワン本体にヌメリやカビが付着している場合は、取り外してスポンジで清掃することで「雑菌臭」を減らしましょう。
掃除が面倒な方は、排水ワンごと交換してしまうほうが早いかもしれません。
排水ホースの汚れ
キッチンの悪臭の原因の1つとして、シンクの流れが悪いと感じられる際は、排水ホースに原因があるかもしれません。排水ホースの汚れは、悪臭や詰まりの原因になります。
軽いつまりであればお湯とタオルだけで対処できますので、簡単な対策方法と注意点をお伝えします。
①排水口のフタを外す。ネットを付けている場合はネットも外してください。
②シンクに50°程度のお湯を張る。
※熱湯は排水管や排水ホースを傷めるため厳禁
③ある程度お湯が溜まったら、排水口を塞いでいるタオルを引き抜き、一気に詰まりの原因を押し流します。
ゴボゴボっと水が流れていけば成功です。
シンクに溜めたお湯が流れていかない場合は、重度の詰まりの可能性もあるので、パイプクリーナーやラバーカップ(スッポン)を使ってみましょう。
排水マスまわりのトラブル
上記の対処方法を試しても悪臭が改善されない場合は、排水マスまわりに原因があるかもしれません。排水マスとは、キッチンなどの水まわり設備から、排水が詰まらないように一定間隔で設置されている排水設備です。
排水経路の点検口の役割も兼ねています。
キッチンから流れる排水に含まれる異物と、水が分離して流れるような作りになっています。
排水マスには固形物や汚れが溜まるような構造のため、排水マスには少しずつ油汚れなどの異物が蓄積していきます。
この排水桝が詰まらないようにする為には、半年から1年に1回程度は排水マスを清掃する必要があります。
排水マスが下水臭の原因となっている場合は、素人では対策が難しいので、水道修理業者を頼るようにしましょう。
下水臭いときの原因と対策【トイレ編】
次はトイレから下水臭がする原因について解説します。毎日使うトイレから下水の悪臭がすると、とても不快ですよね。
下水臭いトイレは一刻でも早く外に出たくなります。
トイレから下水臭がする原因は主に4つです。
それぞれの対策についても併せて解説していきます。
封水の水切れ
トイレが下水臭いと感じる場合、封水切れが起きていないか確認しましょう。便器内の封水が切れると、排水管からの悪臭がトイレ内に直接入り込んできます。
この封数切れを防ぐ対策は、大きく分けて2つあります。
1.長期間(1ヶ月以上)トイレを使用しない時
・便器にラップをして封水の蒸発を防ぐ
・市販の蒸発防止剤を入れておく
2.排水管の詰まりを取る
・排水管の洗浄を行う
となります。
封水の蒸発を防ぐのは簡単です。
ですが排水管の詰まりが起きているケースでは、どこで何が詰まっているかによっても対策が変わってきますので、水道修理業者に相談しましょう。
トイレのつまり
トイレが下水臭い場合、詰まりが原因である可能性があります。詰まりが起きると、汚水がうまく流れずにトイレ内にたまってしまい、悪臭を放つことがあります。
よくある例では、トイレットペーパーを大量に使用してしまい、排水管内に詰まってしまうことがあります。
特に、安価なトイレットペーパーを使用する場合は紙質が硬く詰まりやすいため、使用量には注意が必要です。
対策としては、「こまめに水を流す」「排水管洗浄を行う」「水道修理業者に依頼する」「市販の薬剤で洗浄する」方法があります。
自分で試してみて、悪臭が消えないようなら水道修理業者へ相談しましょう。
トイレの床に隙間ができている
トイレが下水臭い場合、床と便器の間に隙間があることが原因である可能性があります。1ミリでも隙間ができてしまうと、その隙間から下水の臭いが直接上がってきます。
原因としては「床フランジの劣化、割れ」が考えられます。
トイレ交換直後であれば便器の設置不良の可能性が高いです。
対策としては「便器の再設置」「便器と床の隙間をコーキング剤で埋める」方法があります。
ただし、コーキング剤を使う場合はデメリットがあり、「見た目が悪くなる」「少しの衝撃で隙間ができやすい」といった事があります。
キチンと直すためには、業者に依頼して便器の再設置を行うようにしましょう。
排水管の気圧変化
排水管の内部は常に空気があり、水まわりの排水トラップで封をされているような状態です。排水管内の気圧が変化することで、封水が吸い込まれたりしてトイレから悪臭が発生することがあります。
これを誘引現象と呼んでいます。
主な原因は排水管のつまりです。
排水経路の一部分で詰まりが発生することにより、気圧が低い部分が現れ封水が引っ張られて排水管内へ引き込まれます。
また排水管内の詰まり部分が腐敗し、さらに強烈な悪臭を放つこともあります。
対策としては「排水管の高圧洗浄」「通気管の設置」が挙げられます。
通気管とは排水管に空気の逃げ道を作ってあげる事で、一定の気圧を保ちスムーズに流れるようにサポートしてくれる部分になります。
下水臭いときの原因と対策【お風呂場編】
お風呂場で下水の臭いに悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。お風呂場が下水臭い原因は、排水管に問題があることが多いです。
以下では、お風呂場で下水の臭いがあがってくる原因と対策について紹介します。
ヘアキャッチャーの汚れ
お風呂場で下水臭がする原因の1つに、ヘアキャッチャーの汚れがあります。ヘアキャッチャーとは、洗い場の排水口に付いていて「髪の毛」「石鹸カス」などが排水管に流れていかないようにしているフィルターのことを指します。
人間の髪の毛は、1日に50本〜100本程度抜けると言われていて、洗髪時の抜け毛が最も多くなります。
その結果、ヘアキャッチャーにもかなり髪の毛が貯まりやすく、こまめに掃除していないと悪臭の原因となります。
髪の毛は単体では悪臭を放ちませんが、石鹸カスや皮脂などが髪の毛と絡み合いながら蓄積することで悪臭を放ちます。同時に雑菌も多数発生し、ガンコな汚れとなっていきます。
対策としては、入浴後はヘアキャッチャーを掃除するのが一番です。
毎日は出来なくても、一週間に一度はヘアキャッチャーを掃除するようにしましょう。
排水管の汚れ・つまり
上記のヘアキャッチャーで受け止めきれなかった髪の毛・石鹸カス・シャンプーなどが、排水管の内部に蓄積することで、排水管が詰まってしまいます。この状態が続くと、排水管内の水が滞留してしまい下水臭が発生することがあります。
お風呂場の下は給湯管も通っていることから、排水管の周辺温度も高く悪臭が発生するには好条件が揃っています。
対策方法としては「薬剤洗浄」「排水管の高圧洗浄」になります。
場合によっては排水マスの清掃も必要となります。
自分でできる対策を行っても悪臭がする場合は、水道修理業者に点検してもらいましょう。
排水トラップのトラブル
水まわり設備には必ず排水トラップが設置されています。排水トラップは、排水管と室内を分ける重要な働きをしています。
この排水トラップで、なにかしらのトラブルが起きてしまうと悪臭が浴室内に侵入してくることがあります。
例えば「排水トラップの割れ」です。
排水トラップが割れてしまう事で、封水を溜めることができずに下水の悪臭が侵入してきます。
排水トラップのトラブルが原因で下水臭が上がってきている場合は、排水トラップを交換することで対処できます。
自分で交換できるような排水トラップもありますので、状況に応じて「自分で交換する」「業者に依頼する」か決めましょう。
風呂釜が臭い
下水臭値は違いますが、風呂釜から悪臭がすることがあります。風呂釜が臭う原因としては「酸化鉄の臭い」「水垢やカビによる臭い」が考えられます。
風呂釜内部で発生している悪臭は、目で見えない部分になるので判断は難しいですが、定期的な清掃で悪臭対策が可能です。
一般的な対策方法としては、風呂釜専用の洗浄剤で清掃をする方法です。
各メーカーから様々な洗浄剤が販売されています。
おすすめの洗浄ペースとしては月に1回が理想です。
ただし、使用上の注意をキチンと守り洗浄しましょう。
場合によっては風呂釜を痛める可能性もあるので注意が必要です。
キレイに清掃していても悪臭が改善されない場合は、他に原因がある可能性が出てきますので、給湯メーカーや水道修理業者に相談しましょう。
下水臭いときの原因と対策【洗面所編】
洗面所で下水の臭いが上がってくる場合には、原因が複数考えられます。汚れや雑菌の繁殖、排水管の破損が挙げられます。
洗面所が下水臭い時の対策方法を紹介します。
排水パイプの破損
洗面台の下にある収納扉を開けた瞬間に下水臭がすることがあります。これは排水パイプになんらかのトラブルが起きていることが原因です。
主な原因としては「排水パイプの破損」「排水管との繋ぎ目の破損」が考えられます。
対策方法としては、排水パイプの交換をすることです。
ただし、排水パイプの形状や素材が様々ありますので、自宅に付いている排水パイプと同一の商品を選びましょう。
また、排水管との接続部分にも注意が必要です。
すこしでも隙間があると、下水臭が侵入してきます。
自分で交換するのが難しい場合は、水道修理業者へ相談しましょう。
排水溝のつまり
洗面所の悪臭の原因として、排水溝の詰まりも考えられます。洗面所では「歯磨き」「洗面」「洗髪」「手洗い」を行いますので、皮脂・髪の毛・歯磨き粉などが蓄積して詰まることがあります。
さらに常に濡れていて湿気があるため、雑菌の繁殖スピードが早いです。
気が付いた時にはヘドロのような汚れがびっしり付着していて、悪臭を放っていることもあります。
対策方法としては、やはりこまめな清掃と換気となります。
雑菌が繁殖する元となる汚れの蓄積を無くし、清潔に保つことで雑菌の繁殖を抑えます。
さらに換気をすることで湿度が高い状況をを抑えると完璧です。
すでに汚れがひどい場合は、後述する清掃方法でキッチリとお掃除をしてみましょう。
異臭とさよなら!普段からできる対処法
ここまで下水の臭いが上がってくる原因について解説してきました。ここからは「普段からできる悪臭対策の方法」について紹介します。
普段からキチンと水まわりのお手入れをしていれば、悪臭に悩む必要はありません。
簡単にできる予防法ですので、参考にしてみてください。
こまめにクエン酸スプレーをかける
水まわりのお手入れにクエン酸は有効です。クエン酸水は汚れを落とすだけでなく、消臭効果もあります。
作り方は簡単です。
まずは「クエン酸」「スプレーボトル」を用意して下さい。
100均で手に入ります。
【水100mlに対して小さじ半分のクエン酸】を混ぜて、排水口やヘアキャッチャーにスプレーしましょう。
毎日スプレーすると効果的です。
キッチンまわりは毎日洗剤で掃除する
キッチンは様々な食材を扱っています。腐敗するものも多く油分も多く使う事から、一番汚れやすい水まわりです。
また、排水トラップ内も雑菌が繁殖しやすいので、毎日洗剤を使ってシンクのお掃除をすることで悪臭の発生を防ぐことができます。
キッチンでは酸性の汚れが多い為、お掃除の際にはアルカリ性の洗剤を使用しましょう。
洗剤を選ぶときに、容器の裏の説明文の記載を確認して購入しましょう。
洗濯機まわりもこまめにチェックする
洗濯機まわりも、実は悪臭が発生しやすい場所です。洗濯機の排水ホースを排水口に差しっぱなしの方がほとんどかと思います。
洗濯場の排水口にも排水トラップが設置されていて、排水トラップにトラブルが起きると下水の悪臭があがってくることがあります。
「排水ホースが抜けていないか」「排水口周辺で悪臭がしないか」「排水口から水があふれてきていないか」など、こまめに点検して、いち早くトラブルに気付けるようにしておきましょう。
業者に依頼して定期的に排水管を見てもらう
一番安心な方法としては、水まわりのプロである水道業者に定期的に点検してもらうことです。水道業者なら排水経路を熟知していて、専門の工具も持ち合わせている為、定期的にメンテナンスしてもらう事で悪臭のトラブルを防いでくれます。
ただし、悪質な水道業者も存在する為、普段から掛かりつけの水道業者を見つけておくと安心です。
自分で対応できない場合はプロの業者に依頼する
自分で掃除できない場合は無理に行わずプロに依頼することから入り、水PROへつなげる。ここまで下水の悪臭があがってくる原因と対処法について解説してきました。
悪臭の原因は、目で見て直接確認することが難しいので、普段からのお掃除やメンテナンスが重要になります。
記事内で消化したメンテナンスを行っていても悪臭が改善されない場合は、排水設備に問題がある可能性が高くなります。
このような場合は、無理せずにプロの水道修理業者に相談しましょう。
費用は掛かってしまいますが、今後安心して水まわりが使えるように修理をしてもらえます。
水道修理業者選びのポイントとしては、水道局指定工事店など地元密着の水道業者を選びましょう。
例えば、水PROなら地域は限られますが100以上の水道局指定工事店となっています。
まとめ
下水の臭いがあがってくる原因と対策について、知識を深めて頂く事は出来たでしょうか?下水臭の主な原因は排水設備の不具合か汚れによるものが大半です。
汚れに関しては、日頃のメンテナンスにより予防可能です。
排水設備のトラブルや、悪臭の原因がわからないようなケースではプロの修理業者に相談しましょう。
水道修理業者は全国に多数あり、業者選びに迷うと思います。
水PROであれば、「水漏れ修理」「排水詰まり修理」「水まわりの部品交換」「水まわりリフォーム」と水道設備の事はなんでも相談を受けてくれます。
下水の悪臭も、改善されない場合には相談してみてはいかがでしょうか。
最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。