2023.07.26
トイレ
トイレ詰まりをスッポン(ラバーカップ)で直す方法は?使い方とポイントの解説
「うっかりトイレにものを落としてしまった」、「トイレットペーパーの溜め流しをしてから流れが悪い」など、日常の些細なことからトイレつまりは起こってしまいます。
そんなときに詰まりの解消に役立つのが、スッポン(ラバーカップ)と呼ばれるお掃除アイテムです。
この記事では、スッポンで直せるトイレつまりの解消法やスッポンの種類、業者を呼んだときの費用の相場や選び方のポイントなどをご紹介します!
トイレつまりが起きたときの参考にしてみてくださいね。
トイレだけでなく、キッチンや浴室など水まわりの詰まりを取り除くことができます。
お椀の部分は吸盤と同じ働きをしており、棒を押し込んでカップ内部の空気を押し出すことで真空状態が作り出され、つまっているものを吸引できます。
昔は家庭や学校などに必ず置いてありましたが、次第に見かけることが少なくなっているのが現状です。
トイレの性能や下水設備が良くなり、昔と比べてトイレが詰まりにくくなったからといわれています。
活躍の場は減ってしまいましたが、最近でもホームセンターのトイレ掃除コーナーや100円均一でも手軽に入手することができます。
高価なものでも1500円ほどで揃えることができるので、スッポンの購入費用だけでトイレつまりを直せるのが経済的ですね!
スッポンの使用方法は「排水口に押し当てて引く」だけなので、シンプルで誰にでも扱いやすいというメリットがあります。
ただ、詰まりの原因によってはスッポンの使用が向いていない場合もあります。
ここでは、スッポンを使えるトイレつまりと使えないケースを紹介していきます。
<スッポン(ラバーカップ)で直せるトイレ詰まり>
スッポンを使って直すことができるのは、
どれも水に溶けやすい性質があり、水中で徐々にふやけて分解されます。スッポンを使うと流れやすくなった詰まりに圧力がかかり、排水管から押し流すことができるのです。
ただ、トイレットペーパーや掃除シートは素材が厚手だったり海外製だったりすると溶けにくいので、その分詰まりが取れにくい場合があります。
<スッポン(ラバーカップ)で直せないトイレ詰まり>
反対に、スッポンを使って直すことができないのは、
これらは水中でも分解されず、本体を取り除かなければ詰まりは解消しません。
オムツなどの吸水性のある製品は、狭い排水管で水を吸いぐんぐん大きくなるので、便器やトイレの部品が破損してしまう危険性もあります。
一方、大きくはならなくても、おもちゃのように小さなつ詰まりでも侮ってはいけません。
便器の奥へ引っかかってしまうと、排泄物やトイレットペーパーが絡まって大きなトイレつまりへと発展してしまうのです。
水溶性でない詰まりにスッポンを使ってしまうと、原因の固形物がさらに奥へ押し出されてしまう危険もあります。
トイレに固形物が落下したら、スッポンを使って取ろうとするのはやめておきましょう。
ホームセンターの掃除道具コーナーに行くと、見たことのあるかたちのスッポンの横に、似たかたちをした別の商品が並んでいるのを見ることができます。
スッポンにはトイレの様式によって「和式トイレ用」と「洋式トイレ用」があり、それぞれゴム製の吸引部分のかたちも違っているんです。
お家で使うスッポンを購入するときは、説明書きをよく読み、お家のトイレに合う様式のスッポンを選ぶようにしましょう。
ここでは、スッポンの「和式トイレ用」と「洋式トイレ用」の特徴を説明していきます。
棒状の柄の先端に大きめの半円形をしたお椀がついたかたちをしています。
近年、お家や建物のトイレは洋式が主流になってきており、日常で使用する機会は減ってきています。
ただ、和式トイレがあるような昔ながらのお家には今もスッポンが置いてあり、和式トイレや浴室、台所の排水溝の詰まりを取るために利用されることもあります。
洋式トイレ用のスッポンも、基本的なパーツは和式トイレ用のスッポンと変わりません。
しかし、柄の先のお椀の部分には排水口にはまり込む大きさの突起があり、大きいものと小さいものとで大きさがそれぞれ異なります。
どちらの大きさが適しているかは、メーカーへの問い合わせで知ることができます。
「かたちが似ているし、様式が違くても使えるのでは?」と思う人も多いはずです。
それぞれが違う商品として存在しているのには理由があります。
それぞれのトイレの排水口にフィットするかたちでなければ、ゴム部分と便器の表面が密着せず、水圧をかけたり詰まりを引っ張り出す力が上手く作用しなくなってしまいます。
トイレつまり解消の効果を高めるためにも、トイレの形状にあったスッポンを準備するようにしてくださいね。
他にも詰まりに直接作用するワイヤーブラシを使った解消法もありますが、スッポンを使うメリットは道具が扱いやすく作業時間も早く済むところです。
ただ、効果を最大限に発揮させるためには、事前準備や細かい使用上の注意をしっかりと把握する必要があります。
ここでは、スッポンを使う上で準備するものや手順について解説していきます。
作業中はトイレの床や壁などに汚水が飛びやすくなるので、詰まりを取る前に床や壁に養生をしておくことが大切です。
<用意するもの>
①トイレのフタと便座を上げる
②壁や床に新聞紙やビニールを敷いて水が飛ぶのを防ぐ
③ビニール袋を開き、中心部分にスッポンの柄と同じ大きさの穴をあける
④穴にスッポンの柄を通していく
⑤便器のフチにテープでビニール袋を貼る
便器全体をビニールでフタするイメージで貼っていくのがポイントです。
こうすることで、スッポンを動かしたときにあたりが汚れるのを気にせず作業することができます。
スッポンを使う際は、ぜひ試してみてくださいね。
<手順>
①トイレの水位の高さを確認する
スッポンを使う時は、始めに便器内の水位の高さを確認する必要があります。
詰まりが発生したとき、洗浄レバーを引いて水を流してしまうと、排水管へ流れなかった水が行き場をなくし、便器内の水位は上がっていきます。
水位が高いままスッポンを使うと作業中に大量の水飛沫が飛ぶため、養生をしていても衛生面が心配です。
事前にバケツやポンプなどを使って水を汲み出し、スッポンのお椀(ゴム部分)が水で隠れる程度の水量にしておきましょう。
反対に少なすぎてしまうと、スッポンのお椀部分と排水口の表面に隙間が空き、上手く水圧をかけることができません。ベストな水位は「お椀部分が水で隠れる位置」と覚えておきましょう。
②スッポンを排水口に当てて「引き抜く」
水位が調節できたら、スッポンを便器の排水口と水平になるよう置きます。
このとき、ゴム部分と便器を密着させることが大切です。
水平になっているかを気にしながら、慎重にポジションを決めてください。
位置が決まったら、スッポンを真下へゆっくり押し込んでいきます。
柄の部分がこれ以上行かないというところまで沈んだら、「栓を抜くイメージ」でスッポンをぐっと引っ張り上げましょう。
③詰まりが取れるまで繰り返す
この「押し込んで引く」動作を、トイレの詰まりが取れるまで数回繰り返します。
つまったものが排水口の方まで逆流してきたら、洗浄レバーで流さずにゴム手袋で取り除きましょう。
④水を流して確認する
トイレの水が流れていっても、つまっていたものが完全に取れたかはわかりません。
本当に取り除けたかチェックするためにも、容器に汲んだ水を少しずつ流してみましょう。
大抵の軽いトイレつまりはスッポンで解消できますが、一連の動作を4、5回続けても詰まりが直らなければ、早めに修理専門の業者へ相談するようにしましょう!
汚水の中に浸かったスッポンをそのまま片付けると、不衛生な上にコバエや悪臭の原因になってしまいます。
使い終わったスッポンは、水でキレイに洗い流して天日干しで乾燥させましょう。
洗剤を使ってこすり洗いするのもいいですが、漂白剤などの強いものはゴム部分の劣化につながるので、中性洗剤や食器用洗剤を使うことをおすすめします。
干す際は、陽の光を当てて乾かすようにしてください。日陰や湿度のある場所はカビや雑菌が繁殖しやすく、次に使うときの衛生状態が悪くなってしまいます。
乾いた後はゴムの劣化を防ぐため、直射日光に当たらない場所やケースに入れて保管するようにしましょう。
使ったことがある人でも知らずにいるスッポンの使い方は、「押す」より「引く」動作の方が重要、というものです。
使用方法に誤解があるのは、「スッポンは詰まりを押し流すもの」という認識が強く広まっているからと考えられます。
確かに、スッポンで詰まりを取るときはゴム部分を押し込む動作をしますよね。
「押す」動作の方が、圧力がかかって簡単に詰まりが取れそうな気もします。
しかし、つまったものを奥に押し込んでも流れていかなかった場合、自分で取ることは完全にできなくなり、急いで業者を呼ばなくてはならない緊急事態に陥ってしまいます。
自体を悪化させずに詰まりを取り除くには、ラバーカップをゆっくり押し込んでから「ぐっと引き上げて」原因を引っ張り出すことが大切です。
水溶性の詰まりならまだ危険性は低いですが、もし原因が固形物なら、絶対にスッポンで押し込むのはやめましょう。
スッポンは詰まり解消の手段としてかなり有効ですが、効果が見られないときは、原因がさらに奥の取れにくい場所へ行ってしまったのかもしれません。
そうなると、素人がいくら解消を試みたところで、焦りが生まれ時間と手間がどんどん削られていくことになってしまいます。
トイレを外すような大きな排水管工事になりかねないので、解決が難しくなったら潔く技術をもったプロにお任せするようにしましょう。
修理費用の内訳は大きく分けて「修理費+部品・器具の交換料金+その他」といわれており、その他にキャンセル料や出張費などがかかります。
最近は緊急での駆けつけに対応した水道工事店が増え、ポスト投函のチラシやマグネット広告も数多く入ってくるようになりました。
気にしていないようでも、異様に安いキャンペーン価格や割引が目に入るとなんとなく注目してしまいますよね。
しかし、実際にこのような誇大広告をする会社に依頼しても、実際の見積もりで追加費用が発生し、思っていた金額にならなかった…といった例もあります。
業者へ依頼するときは、実際の費用相場がどれくらいかを知っておくことが大切です。
ここでは、修理にかかる金額が適切かを知るために費用の内訳を解説していきます。
ただ、作業内容によってこの額にはかなり変動があります。
例えば、0,8万〜2,5万円ほどの詰まり除去の作業費では、必要な作業道具で全体料金が変わってきます。
以下の表は、トイレつまりを修理する際のサービス内容と、作業費用の相場になります。
業者に頼むときの参考にしてみてくださいね。
<作業料金の相場>
また、タンクから水漏れしていた場合、タンク内部の部品交換が必要であれば作業費用には必要な部材費が上乗せされます。
さらに、部材費も大きさや素材で価格が大きく変動します。
以下は、部材費の相場をまとめた表です。
部品が大きくなると修理の規模も大きくなり、全体の金額は上がる傾向があります。
また、トイレタンクの着脱のような専門的な作業がある場合は、金額がさらに大きくなることを覚えておきましょう。
<器具や部品交換費の相場>
このように、修理にかかる費用には「作業」や「部品」、さらには出張費など様々な面で不確定な要素が多く、素人の費用相場への理解を難しくしています。
業者に見積もりを依頼するときは、「なぜその作業が必要なのか」や「その項目の金額は適切か」などの疑問点をしっかり確認しておくようにしましょう。
また、相談や見積もりのときに過剰に安さをアピールしてくるような業者には要注意です。
いくら金額が安くても、明らかに手抜きであったり、交換部品が粗雑なものだったりしては元も子もありません。
業者を選ぶ際には、最低でも2〜3社の業者から相見積もりをとってもらうことをおすすめします。
時間と手間はかかってしまいますが、金額だけでなく対応やフォローなどの面でも比較できるため、信頼できる業者を見つけられるはずですよ。
水回りの修理業者は全国に数多くありますが、その中でどの業者を選ぶべきかはパッと見ただけではわかりません。
ここでは、たくさんある業者の中から良い業者を見分ける以下の3つのポイントを紹介します。
水道局指定工事店とは、地方自治体の水道局から適切な水道の修理・工事ができるとお墨付きをもらっている業者のことです。
この指定を受けているということは、高い技術力があり水まわり修理の専門的な知識があることを水道局が認めたということです。
証明のある業者はその他の業者と違い、水道設備工事全般を担当できるので、幅広く豊富な修理経験があるということになります。
ただ、全般といっても水まわりの設備工事には分野によって必要資格があり、作業の内容でも変わってきます。
特に給水設備工事では、「給水装置工事主任技術者(国家資格)」、排水設備工事は「排水設備工事責任技術者」、ガス機器の工事は「液化石油ガス設備士」「簡易内管施工士」などの資格が必要で、指定工事店として登録するにはこれらの資格保持者が会社にいることが前提となります。
修理を依頼するとき、国家資格やそれに準ずる資格を持った専門スタッフが在籍していたら安心ですよね。
トイレの修理業者を選ぶときは、HPや会社情報の欄に「水道局指定工事店」と書かれているかどうかチェックしましょう!
反対に、いくらリーズナブルな価格でも、メールの返信が粗雑だったり段取りが悪ければ、本当に修理をお願いしていいのか悩んでしまいますよね。
業者を選ぶ上では、仕事ぶりや対応が丁寧で迅速かどうかも重要なポイントになります。
HPや会社情報からはどうしても見えにくい部分になるので、気になる業者があれば気軽に見積もり依頼を出してみるようにしましょう。
もし可能なら、前回も紹介した通り、数社に見積もりを依頼する「相見積もり」がおすすめです。
対応の速さやフォローなど価格以外の面でも比べることができ、優良な業者を見つけるための一つの目安にすることができますよ。
口コミは以前その業者を利用したことのある人が書くもので、高い評価をつけた人が多ければ、その業者への満足度が高かったということになります。
口コミの良い点は、ホームページにあるような業者側が選んだ施工例と違い、利用した人の生の声が忖度なく反映されている点です。
しかし、ネット上の評価は全てがフラットなものではなく、ステマのように様々な思惑で書かれているものもあります。
ステマサイトとは、自作自演をしているようなWEBサイトです。
過剰な褒め言葉を使う口コミには気をつけましょう。
また、1社に高評価ばかりが集まっているようなサイトにも注意が必要です。
口コミからの情報集めは、なるべく中立的でメリットとデメリットの両面が述べられたレビューを参考にするといいですね。
また、年齢や性別、施工写真、エピソードなど、詳細な情報のある評価は信頼性が高いです。
投稿者の情報がはっきりせず、過ぎた賛辞を言うだけの書き込みはスルーするように心がけましょう。
排水管を塞ぐトイレットペーパーや排泄物を吸引して引っ張り上げることができますが、スマートフォンやオムツなどの水に溶けない固形物の詰まりには弱く、誤った使用方法で詰まりをさらに奥へと押し込んでしまうことも考えられます。
スッポンを使うときは持ち手部分を「押しこむ」より、「引き上げる」動作の方が大切です。使用後は洗って天日干しをして、雑菌の繁殖を抑えましょう。
「スッポン」を使っても取れないつまりには、プロのトイレ修理業者の出番です。質の良い業者を選ぶには、「水道局指定工事店」かどうか・対応の丁寧さ・口コミ評価をチェックしておきましょう。
確かな技術を持った専門家が、お家のトイレトラブルを解決に導いてくれるはずです。
そんなときに詰まりの解消に役立つのが、スッポン(ラバーカップ)と呼ばれるお掃除アイテムです。
この記事では、スッポンで直せるトイレつまりの解消法やスッポンの種類、業者を呼んだときの費用の相場や選び方のポイントなどをご紹介します!
トイレつまりが起きたときの参考にしてみてくださいね。
目次
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スッポン(ラバーカップ)の役割とは?
「スッポン」は別名「ラバーカップ」とも呼ばれ、長い棒状の持ち手の先にお椀型のゴム製のカップがついた掃除道具です。トイレだけでなく、キッチンや浴室など水まわりの詰まりを取り除くことができます。
お椀の部分は吸盤と同じ働きをしており、棒を押し込んでカップ内部の空気を押し出すことで真空状態が作り出され、つまっているものを吸引できます。
昔は家庭や学校などに必ず置いてありましたが、次第に見かけることが少なくなっているのが現状です。
トイレの性能や下水設備が良くなり、昔と比べてトイレが詰まりにくくなったからといわれています。
活躍の場は減ってしまいましたが、最近でもホームセンターのトイレ掃除コーナーや100円均一でも手軽に入手することができます。
高価なものでも1500円ほどで揃えることができるので、スッポンの購入費用だけでトイレつまりを直せるのが経済的ですね!
スッポン(ラバーカップ)で直せるトイレ詰まりと直せないトイレ詰まり
お家のトイレがつまったとき、悩んだ結果「スッポン」を使おう!と考える方は多いはずです。スッポンの使用方法は「排水口に押し当てて引く」だけなので、シンプルで誰にでも扱いやすいというメリットがあります。
ただ、詰まりの原因によってはスッポンの使用が向いていない場合もあります。
ここでは、スッポンを使えるトイレつまりと使えないケースを紹介していきます。
<スッポン(ラバーカップ)で直せるトイレ詰まり>
スッポンを使って直すことができるのは、
- ティッシュペーパー
- トイレットペーパー
- 水に流せるお掃除シート
- 排泄物
どれも水に溶けやすい性質があり、水中で徐々にふやけて分解されます。スッポンを使うと流れやすくなった詰まりに圧力がかかり、排水管から押し流すことができるのです。
ただ、トイレットペーパーや掃除シートは素材が厚手だったり海外製だったりすると溶けにくいので、その分詰まりが取れにくい場合があります。
<スッポン(ラバーカップ)で直せないトイレ詰まり>
反対に、スッポンを使って直すことができないのは、
- おもちゃ
- スマートフォン
- オムツ
- その他の固形物
これらは水中でも分解されず、本体を取り除かなければ詰まりは解消しません。
オムツなどの吸水性のある製品は、狭い排水管で水を吸いぐんぐん大きくなるので、便器やトイレの部品が破損してしまう危険性もあります。
一方、大きくはならなくても、おもちゃのように小さなつ詰まりでも侮ってはいけません。
便器の奥へ引っかかってしまうと、排泄物やトイレットペーパーが絡まって大きなトイレつまりへと発展してしまうのです。
水溶性でない詰まりにスッポンを使ってしまうと、原因の固形物がさらに奥へ押し出されてしまう危険もあります。
トイレに固形物が落下したら、スッポンを使って取ろうとするのはやめておきましょう。
スッポン(ラバーカップ)の種類
「スッポン(ラバーカップ)」には、トイレの様式に合わせて種類があるのを知っていますか?ホームセンターの掃除道具コーナーに行くと、見たことのあるかたちのスッポンの横に、似たかたちをした別の商品が並んでいるのを見ることができます。
スッポンにはトイレの様式によって「和式トイレ用」と「洋式トイレ用」があり、それぞれゴム製の吸引部分のかたちも違っているんです。
お家で使うスッポンを購入するときは、説明書きをよく読み、お家のトイレに合う様式のスッポンを選ぶようにしましょう。
ここでは、スッポンの「和式トイレ用」と「洋式トイレ用」の特徴を説明していきます。
和式トイレ用
よくホームセンターや量販店で見かける、一般的なスッポンはじつは和式トイレ用です。棒状の柄の先端に大きめの半円形をしたお椀がついたかたちをしています。
近年、お家や建物のトイレは洋式が主流になってきており、日常で使用する機会は減ってきています。
ただ、和式トイレがあるような昔ながらのお家には今もスッポンが置いてあり、和式トイレや浴室、台所の排水溝の詰まりを取るために利用されることもあります。
洋式トイレ用
洋式トイレ用のスッポンと聞いて、どんなものか想像しにくいという人は多いかもしれません。洋式トイレ用のスッポンも、基本的なパーツは和式トイレ用のスッポンと変わりません。
しかし、柄の先のお椀の部分には排水口にはまり込む大きさの突起があり、大きいものと小さいものとで大きさがそれぞれ異なります。
どちらの大きさが適しているかは、メーカーへの問い合わせで知ることができます。
「かたちが似ているし、様式が違くても使えるのでは?」と思う人も多いはずです。
それぞれが違う商品として存在しているのには理由があります。
それぞれのトイレの排水口にフィットするかたちでなければ、ゴム部分と便器の表面が密着せず、水圧をかけたり詰まりを引っ張り出す力が上手く作用しなくなってしまいます。
トイレつまり解消の効果を高めるためにも、トイレの形状にあったスッポンを準備するようにしてくださいね。
スッポン(ラバーカップ)を使ったトイレ詰まりの解消方法
スッポンを使ったトイレつまり解消法は、軽度の紙つまりや排泄物なら簡単に押し流すことができます。他にも詰まりに直接作用するワイヤーブラシを使った解消法もありますが、スッポンを使うメリットは道具が扱いやすく作業時間も早く済むところです。
ただ、効果を最大限に発揮させるためには、事前準備や細かい使用上の注意をしっかりと把握する必要があります。
ここでは、スッポンを使う上で準備するものや手順について解説していきます。
事前準備
スッポンを使ってトイレつまりを解消するには、事前の準備が必要です。作業中はトイレの床や壁などに汚水が飛びやすくなるので、詰まりを取る前に床や壁に養生をしておくことが大切です。
<用意するもの>
- ビニール袋 2、3枚
- 新聞紙 1日分
- 養生テープ
①トイレのフタと便座を上げる
②壁や床に新聞紙やビニールを敷いて水が飛ぶのを防ぐ
③ビニール袋を開き、中心部分にスッポンの柄と同じ大きさの穴をあける
④穴にスッポンの柄を通していく
⑤便器のフチにテープでビニール袋を貼る
便器全体をビニールでフタするイメージで貼っていくのがポイントです。
こうすることで、スッポンを動かしたときにあたりが汚れるのを気にせず作業することができます。
スッポンを使う際は、ぜひ試してみてくださいね。
スッポン(ラバーカップ)の使い方・使用時の流れ
ここまで、スッポンを使って解消できるトイレつまりの種類や事前準備について説明してきました。養生までしっかり済ませたら、トイレつまりを直していきましょう。<手順>
①トイレの水位の高さを確認する
スッポンを使う時は、始めに便器内の水位の高さを確認する必要があります。
詰まりが発生したとき、洗浄レバーを引いて水を流してしまうと、排水管へ流れなかった水が行き場をなくし、便器内の水位は上がっていきます。
水位が高いままスッポンを使うと作業中に大量の水飛沫が飛ぶため、養生をしていても衛生面が心配です。
事前にバケツやポンプなどを使って水を汲み出し、スッポンのお椀(ゴム部分)が水で隠れる程度の水量にしておきましょう。
反対に少なすぎてしまうと、スッポンのお椀部分と排水口の表面に隙間が空き、上手く水圧をかけることができません。ベストな水位は「お椀部分が水で隠れる位置」と覚えておきましょう。
②スッポンを排水口に当てて「引き抜く」
水位が調節できたら、スッポンを便器の排水口と水平になるよう置きます。
このとき、ゴム部分と便器を密着させることが大切です。
水平になっているかを気にしながら、慎重にポジションを決めてください。
位置が決まったら、スッポンを真下へゆっくり押し込んでいきます。
柄の部分がこれ以上行かないというところまで沈んだら、「栓を抜くイメージ」でスッポンをぐっと引っ張り上げましょう。
③詰まりが取れるまで繰り返す
この「押し込んで引く」動作を、トイレの詰まりが取れるまで数回繰り返します。
つまったものが排水口の方まで逆流してきたら、洗浄レバーで流さずにゴム手袋で取り除きましょう。
④水を流して確認する
トイレの水が流れていっても、つまっていたものが完全に取れたかはわかりません。
本当に取り除けたかチェックするためにも、容器に汲んだ水を少しずつ流してみましょう。
大抵の軽いトイレつまりはスッポンで解消できますが、一連の動作を4、5回続けても詰まりが直らなければ、早めに修理専門の業者へ相談するようにしましょう!
スッポン(ラバーカップ)を使い終わったら
詰まりが無事に解消できたら、スッポンをお手入れしてから用具入れに収納しましょう。汚水の中に浸かったスッポンをそのまま片付けると、不衛生な上にコバエや悪臭の原因になってしまいます。
使い終わったスッポンは、水でキレイに洗い流して天日干しで乾燥させましょう。
洗剤を使ってこすり洗いするのもいいですが、漂白剤などの強いものはゴム部分の劣化につながるので、中性洗剤や食器用洗剤を使うことをおすすめします。
干す際は、陽の光を当てて乾かすようにしてください。日陰や湿度のある場所はカビや雑菌が繁殖しやすく、次に使うときの衛生状態が悪くなってしまいます。
乾いた後はゴムの劣化を防ぐため、直射日光に当たらない場所やケースに入れて保管するようにしましょう。
スッポン(ラバーカップ)の使い方で大事なポイント
スッポンを使うときの大事なポイントを知っている人は、じつは案外多くありません。使ったことがある人でも知らずにいるスッポンの使い方は、「押す」より「引く」動作の方が重要、というものです。
使用方法に誤解があるのは、「スッポンは詰まりを押し流すもの」という認識が強く広まっているからと考えられます。
確かに、スッポンで詰まりを取るときはゴム部分を押し込む動作をしますよね。
「押す」動作の方が、圧力がかかって簡単に詰まりが取れそうな気もします。
しかし、つまったものを奥に押し込んでも流れていかなかった場合、自分で取ることは完全にできなくなり、急いで業者を呼ばなくてはならない緊急事態に陥ってしまいます。
自体を悪化させずに詰まりを取り除くには、ラバーカップをゆっくり押し込んでから「ぐっと引き上げて」原因を引っ張り出すことが大切です。
水溶性の詰まりならまだ危険性は低いですが、もし原因が固形物なら、絶対にスッポンで押し込むのはやめましょう。
スッポン(ラバーカップ)で直せないトイレ詰まりは業者に相談
スッポンで引き上げても詰まりが解消しない場合は、一人で解決を目指すより、専門の修理業車に依頼することをおすすめします。スッポンは詰まり解消の手段としてかなり有効ですが、効果が見られないときは、原因がさらに奥の取れにくい場所へ行ってしまったのかもしれません。
そうなると、素人がいくら解消を試みたところで、焦りが生まれ時間と手間がどんどん削られていくことになってしまいます。
トイレを外すような大きな排水管工事になりかねないので、解決が難しくなったら潔く技術をもったプロにお任せするようにしましょう。
トイレ詰まりの修理にかかる費用相場
トイレつまりの修理などの水道工事費用には、相場と適正価格が存在します。修理費用の内訳は大きく分けて「修理費+部品・器具の交換料金+その他」といわれており、その他にキャンセル料や出張費などがかかります。
最近は緊急での駆けつけに対応した水道工事店が増え、ポスト投函のチラシやマグネット広告も数多く入ってくるようになりました。
気にしていないようでも、異様に安いキャンペーン価格や割引が目に入るとなんとなく注目してしまいますよね。
しかし、実際にこのような誇大広告をする会社に依頼しても、実際の見積もりで追加費用が発生し、思っていた金額にならなかった…といった例もあります。
業者へ依頼するときは、実際の費用相場がどれくらいかを知っておくことが大切です。
ここでは、修理にかかる金額が適切かを知るために費用の内訳を解説していきます。
修理にかかる費用が適切である
一般的なトイレ修理の平均価格は0,5万円〜3,0万円ほどです。ただ、作業内容によってこの額にはかなり変動があります。
例えば、0,8万〜2,5万円ほどの詰まり除去の作業費では、必要な作業道具で全体料金が変わってきます。
以下の表は、トイレつまりを修理する際のサービス内容と、作業費用の相場になります。
業者に頼むときの参考にしてみてくださいね。
<作業料金の相場>
サービス内容 | 作業料金 | |
---|---|---|
トイレつまり | 簡単な詰まり 専用器具使用 便器脱着作業 |
5,000 7,000 10,000 |
排水管つまり修理 | ワイヤー作業(個人宅) ワイヤー作業(飲食店・会社・共用部) |
7,000〜 12,000〜 |
トイレの水漏れ修理 | 調整作業等 | 4,000 |
水漏れが止まらない 水が出ない |
タンク内部交換(タンク脱着なし) タンク内部交換(タンク脱着あり) |
6,000 8,000 |
温水洗浄の取り替え | 温水洗浄便座取り付け | 7,000 |
さらに、部材費も大きさや素材で価格が大きく変動します。
以下は、部材費の相場をまとめた表です。
部品が大きくなると修理の規模も大きくなり、全体の金額は上がる傾向があります。
また、トイレタンクの着脱のような専門的な作業がある場合は、金額がさらに大きくなることを覚えておきましょう。
<器具や部品交換費の相場>
トイレ部品 | 場所 | 金額 |
---|---|---|
浮き玉 | タンクの内部 トイレの流水を調整 |
300〜800円 |
ゴムフロート | タンクの外部 止水、流水の管理 |
1,000~3,000円 |
レバー | タンクの外部 | 1,500~2,500円 |
オーバーフロー管 | タンクの外部 便器へ流水を通す役 |
8,000〜12,000円 |
ボールタップ | タンクの内部 | 3,000~10,000円 |
業者に見積もりを依頼するときは、「なぜその作業が必要なのか」や「その項目の金額は適切か」などの疑問点をしっかり確認しておくようにしましょう。
また、相談や見積もりのときに過剰に安さをアピールしてくるような業者には要注意です。
いくら金額が安くても、明らかに手抜きであったり、交換部品が粗雑なものだったりしては元も子もありません。
業者を選ぶ際には、最低でも2〜3社の業者から相見積もりをとってもらうことをおすすめします。
時間と手間はかかってしまいますが、金額だけでなく対応やフォローなどの面でも比較できるため、信頼できる業者を見つけられるはずですよ。
業者を選ぶポイント
せっかくつまりの修理を依頼するのであれば、技術・費用ともに信頼できる業者に任せたいですよね。水回りの修理業者は全国に数多くありますが、その中でどの業者を選ぶべきかはパッと見ただけではわかりません。
ここでは、たくさんある業者の中から良い業者を見分ける以下の3つのポイントを紹介します。
- 水道指定工事店である
- 対応が丁寧である
- 口コミ・評判がいい
水道局指定工事店である
あなたは業者を調べていて、「水道局指定工事店」という言葉を見ませんでしたか?水道局指定工事店とは、地方自治体の水道局から適切な水道の修理・工事ができるとお墨付きをもらっている業者のことです。
この指定を受けているということは、高い技術力があり水まわり修理の専門的な知識があることを水道局が認めたということです。
証明のある業者はその他の業者と違い、水道設備工事全般を担当できるので、幅広く豊富な修理経験があるということになります。
ただ、全般といっても水まわりの設備工事には分野によって必要資格があり、作業の内容でも変わってきます。
特に給水設備工事では、「給水装置工事主任技術者(国家資格)」、排水設備工事は「排水設備工事責任技術者」、ガス機器の工事は「液化石油ガス設備士」「簡易内管施工士」などの資格が必要で、指定工事店として登録するにはこれらの資格保持者が会社にいることが前提となります。
修理を依頼するとき、国家資格やそれに準ずる資格を持った専門スタッフが在籍していたら安心ですよね。
トイレの修理業者を選ぶときは、HPや会社情報の欄に「水道局指定工事店」と書かれているかどうかチェックしましょう!
対応が丁寧である
「問い合わせへの返信が丁寧」「見積もり依頼へのレスポンスが早い」など、業者との実際のやりとりが信頼につながることもあります。反対に、いくらリーズナブルな価格でも、メールの返信が粗雑だったり段取りが悪ければ、本当に修理をお願いしていいのか悩んでしまいますよね。
業者を選ぶ上では、仕事ぶりや対応が丁寧で迅速かどうかも重要なポイントになります。
HPや会社情報からはどうしても見えにくい部分になるので、気になる業者があれば気軽に見積もり依頼を出してみるようにしましょう。
もし可能なら、前回も紹介した通り、数社に見積もりを依頼する「相見積もり」がおすすめです。
対応の速さやフォローなど価格以外の面でも比べることができ、優良な業者を見つけるための一つの目安にすることができますよ。
口コミ・評判が良い
ネットで業者の名前で検索したときに、業者の口コミや評判が出てくる場合があります。口コミは以前その業者を利用したことのある人が書くもので、高い評価をつけた人が多ければ、その業者への満足度が高かったということになります。
口コミの良い点は、ホームページにあるような業者側が選んだ施工例と違い、利用した人の生の声が忖度なく反映されている点です。
しかし、ネット上の評価は全てがフラットなものではなく、ステマのように様々な思惑で書かれているものもあります。
ステマサイトとは、自作自演をしているようなWEBサイトです。
過剰な褒め言葉を使う口コミには気をつけましょう。
また、1社に高評価ばかりが集まっているようなサイトにも注意が必要です。
口コミからの情報集めは、なるべく中立的でメリットとデメリットの両面が述べられたレビューを参考にするといいですね。
また、年齢や性別、施工写真、エピソードなど、詳細な情報のある評価は信頼性が高いです。
投稿者の情報がはっきりせず、過ぎた賛辞を言うだけの書き込みはスルーするように心がけましょう。
まとめ
「スッポン」は軽いトイレつまりを自分で簡単に解決できるお掃除アイテムで、浴室やキッチンの排水溝などの、水まわりのつ詰まり解消に効果があります。排水管を塞ぐトイレットペーパーや排泄物を吸引して引っ張り上げることができますが、スマートフォンやオムツなどの水に溶けない固形物の詰まりには弱く、誤った使用方法で詰まりをさらに奥へと押し込んでしまうことも考えられます。
スッポンを使うときは持ち手部分を「押しこむ」より、「引き上げる」動作の方が大切です。使用後は洗って天日干しをして、雑菌の繁殖を抑えましょう。
「スッポン」を使っても取れないつまりには、プロのトイレ修理業者の出番です。質の良い業者を選ぶには、「水道局指定工事店」かどうか・対応の丁寧さ・口コミ評価をチェックしておきましょう。
確かな技術を持った専門家が、お家のトイレトラブルを解決に導いてくれるはずです。