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断水時にトイレは流せる?原因や対処法、復旧後の注意を解説

日常的に使用するトイレが断水すると、生活に大きな影響を与えます。
ある日突然トイレが断水しても困らないよう、原因や対処法、トイレの流し方、復旧後の注意点などを予習しておきましょう。

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トイレの断水の原因とは?

トイレの水が流れなくなる原因として考えられるのは、主に次の4つです。

給水設備のメンテナンス

マンションでは給水設備の清掃やメンテナンスが定期的に行われ、その際に断水が起こります。
一戸建ての場合でも、地域の水道会社が水道管の修理や交換を行う場合、一時的に供給を停止することがあります。

メンテナンスがある場合は住民へ断水の期間が告知されるので、事前に備えることができます。
メンテナンスの規模によってかかる時間は異なりますが、大体2〜3時間程度は断水が続きます。

停電

マンションのような高層住宅では、上層階まで水を供給するために「受水槽式」や「直結増圧方式」といった方式が採用されています。
この方法は電気を使用するため、停電によって水の供給も止まってしまいます。

一戸建てでは停電が原因で断水することはほとんどありませんが、浄水処理場が停電することで断水が起こる可能性はあります。
浄水処理場が停電すると、清潔な水を給水できなくなるという理由から各家庭への給水がストップしてしまうこともあるのです。

台風や地震などの災害

台風で川が氾濫すると、水道管が壊れて断水するケースもあります。
また、地震で地面に亀裂が入ると同時に水道管が破裂するのも、断水の一因です。

自宅だけが断水している場合、敷地内の水道管の破損が考えられます。
地域一帯で断水が起きている場合は、道路などの水道管が破損している可能性が高いです。

トイレの故障

上記のいずれにも当てはまらず、自宅のトイレだけ水が流れない場合はトイレの故障を疑いましょう。
トイレが流れない原因として、タンク内の部品や給水管などの破損が考えられます。

原因が分かれば自力で修理することも不可能ではありませんが、ほとんどは原因が分からないか、分かっても作業が難しいことがほとんどです。
トイレの故障が疑われる場合、早めに水道修理業者へ点検・修理を依頼しましょう。

断水が発生した時はまず水栓を閉める

断水が発生した時は、まず水栓を閉めましょう。
水栓には、元栓と止水栓があります。

元栓の閉め方

元栓とは、建物全体の水の供給を制御する栓のことです。
通常、メーターボックスの中に水道メーターと一緒に収納されています。
時計回りに回すと元栓が閉まり、建物全体への水の供給が止まります。

なお、メーターボックスの場所は次の通りです。

  • 戸建て住宅:敷地内の地面にあり、フタには「量水器」「水道メーター」「止水栓」などと書かれています。
  • 集合住宅:共用スペースの廊下や壁などに設置されていることが多いです。誤って他の部屋の水を止めないよう、タグなどで部屋番号を確認しましょう。分からなければ管理会社に確認します。


止水栓の閉め方

トイレや洗濯機など、水回りの設備には個々に水の供給を制御する止水栓がついています。
今回は、トイレの止水栓を例に紹介します。
トイレの止水栓は、壁や床からトイレ本体へ繋がる給水管についていることが多いです。
止水栓も元栓と同様、時計回りに回すことで給水を止めることができます。

水栓を閉める理由

断水中は水道配管に水が流れなくなり、一時的に空になっている間に空気や異物が入り込むことがあります。
これによって断水復旧後、濁って水が出てくる可能性があります。
濁った水が水道管に入るのを少なくするためには、元栓を閉めるのが有効です。

止水栓を閉めるのも同様の理由で、濁った水が水回りの設備に流れ込まないよう水の流れをシャットアウトするのが目的です。

断水したらトイレは使えない?

断水時の最大の問題は、トイレです。
小さなお子様のいる家庭や、断水が長時間にわたる場合、断水中でもやむを得ずトイレを使わなければいけない場面があるかもしれません。

断水している間は水道管からトイレタンクに給水されず、普段通りレバーをひねってトイレの水を流すことはできません。
ただし、便器内に水を流すことさえできればトイレは使用できます。
断水中でもトイレを使用したい場合、この後に説明するバケツを使ったトイレの流し方を試してみてください。

しかし、災害で断水している場合などトイレに水を流してはいけないケースもあります。
これについては、次の「断水中にトイレを流してはいけない場合」の項目で確認してください。

断水中にトイレを流してはいけない場合

断水中、トイレを流しても良いケースと流してはいけないケースがあります。
次のような場合にはトイレを流さず、備蓄トイレを使う、水道修理業者を呼ぶなど対処を行ってください。

下水道のトラブルがある

基本的に、災害時にトイレを流すのは避けた方が良いでしょう。
下水処理施設の停止や排水管の破損など、下水道にトラブルが起きている状態で無理に水を流すと、汚水があふれたり逆流したりする危険性があります。

浄化槽のトラブルがある

浄化槽が傾いていたり破損していたりする場合も、下水を処理することができないためトイレを流すのは厳禁です。

自治体からトイレを流さないよう要請があった

何らかのトラブルが原因で、自治体からトイレを流さないよう要請があることも。
断水中のトイレの水を流す前に、自治体の放送やホームページで情報を確認してください。

マンションで断水時にトイレを使う時の注意

マンションで断水が起こっている時も、すぐにトイレを流さないよう注意が必要です。
2016年の熊本地震の際にも起こったことですが、断水中にトイレを流すことで、下の階のトイレから汚水があふれるというトラブルが起こる危険性があります。

マンションでは、次のような場合トイレを流す前に問題がないか確認してください。
  • 大きな地震の後
  • 停電している時
  • トイレ以外の設備も水が出ない時
  • 配管が破損している時


バケツを使って断水中にトイレの水を流す方法

上で紹介したトイレを流してはいけないケースに該当しなければ、断水中でもトイレの水を流すことができます。
今回は、バケツを使って断水中にトイレの水を流す方法を紹介します。

1.トイレの床を保護する

バケツを使った方法はどうしても水が周りに飛びやすく、不衛生になりがちです。
新聞紙や雑巾などを使って、便器周りの床を保護しましょう。

2.オート機能を切る

オートの洗浄機能やフタ開閉機能などは、あらかじめオフにしておきます。

3.バケツの水を流し込む

汲み置きした水を、バケツ1杯程度(5~6L)用意します。
便座を上げ、両手でバケツを持って便器内へ一気に水を流し込みます。
汚物が流れなかった場合、より早く勢いを付けて流し込んでください。

高い位置から入れると水が飛び散りやすくなるため、低い位置から勢いよく流し込むのがポイントです。
また、コンセントに水がかからないよう注意して行いましょう。

4.水位が下がったら水を足す

水を流した後水位が下がったままになったら、3Lほど静かに水を流し入れます。
水位が下がったままになると下水臭が上がってくることがあるため、必ず元に戻してください。

断水が続く場合

断水が長く続き、何度もバケツを使った方法で水を流す時は、2〜3回に一度はバケツ2杯分の水を流してください。
これにより、水流不足で排水管の中に汚物が溜まってしまうのを防ぎます。

断水中にトイレを流す時の注意点

断水中にトイレを流す方法を誤ると、トイレの故障につながるリスクがあります。
断水中にトイレを流す時は、次の注意点に気を付けましょう。

トイレタンクに水を入れない

水はねを避けるために、トイレタンクに給水してトイレの水を流そうと考える方もいるかもしれません。
しかし、この方法はNGです。
トイレタンクに給水して水を流すと、次のようなトラブルにつながるリスクがあります。

水量不足で十分な洗浄ができない

普段トイレを流す時、トイレタンクから水を流して洗浄を行いますが、その際使用されている水はトイレタンクの貯水だけではありません。
トイレタンクの貯水と同時に、給水管から供給された水も使って洗浄されているのです。

断水時には給水管から水が供給されないため、トイレタンクに水を入れたとしても水の量が不足してしまいます。

特に、最近のトイレタンクは節水タイプが増えていて、容量が5L弱のものも少なくありません。
バケツを使ってトイレの水を流す時も5L以上の水を用意したように、トイレタンクの貯水だけでは十分に汚物を流しきれないでしょう。

トイレ本体の故障につながる

温水洗浄便座では、トイレタンクの周辺に電気部品がついているのが一般的です。
トイレタンクに水を入れようとして水がこぼれてしまうと、電気部品が浸水して故障してしまうリスクがあります。

お風呂の残り湯をそのまま使用しない

できれば、断水時トイレの水を流すのにお風呂の残り湯を使用するのは避けましょう。
残り湯には髪の毛や垢などの汚れがあり、便器内に流し込むとつまりを引き起こす原因になり得ます。
どうしてもお風呂の残り湯を使う時は、ネットなどで可能な限り汚れを取り除くことをおすすめします。

なお、トイレタンク内にお風呂の残り湯を入れるのもNGです。
残り湯の汚れが部品に入り込み、故障の原因となります。

トイレがつまっている場合はつまりを解消してから

バケツを使って水を流してもなかなか上手く流れない、または逆流してきてしまう場合、トイレのつまりが考えられます。
この場合、まずはトイレのつまりを解消するのが先です。

トイレつまりの解消方法

トイレつまりを解消する方法はいくつかありますが、ここでは最も一般的なラバーカップ(スッポン)を使う方法を紹介します。

  1. 便器内の水位を調整する:
    まずは、トイレの便器内の水位を確認します。
    水位が高いままラバーカップを入れると、水かさが増して汚水が便器の外まであふれてしまうため、紙コップなどを使って水を減らしましょう。
    反対に水位が低いと、ラバーカップを使って水が押し出せなくなってしまうため、便器に水を足します。 適量は、便器のフチから10cmほど水位が下がった状態です。
    ラバーカップを入れた時にゴム部分まで水かさがあれば十分でしょう。
  2. トイレ周りを保護する:
    バケツで水を流し込む時、すでに新聞紙や雑巾で床を保護していると思いますが、さらに大きなビニール袋で便器全体を覆うことで水はねを防ぐことができます。
    ビニール袋の中心に切り込みを入れ、ラバーカップの持ち手が通るようにしておきましょう。
  3. ラバーカップでつまりを解消する:
    ラバーカップを排水口に密着させてゆっくりと押し込んだ後、強く引っ張り上げます。
    つまりが解消するまで、同じ動作を何度か繰り返します。
  4. 確認作業:
    最後にバケツの水を流し、正常に流れるようになったか確認します。


ここではラバーカップを使ったトイレつまりの解消法を紹介しましたが、下記の記事では他の方法も確認できます。

>>トイレつまりの直し方10選!自分で解消する方法や注意すべき点を紹介

災害用の備蓄トイレがおすすめ

断水時でもトイレをの水を流せる場合があるものの、災害時には基本的にトイレを使用しない方が安心です。
しかし、災害時には長期間断水が続くことも多く、その間トイレを使用しないわけにはいきません。

そこでおすすめなのが、備蓄トイレです。
備蓄トイレは主に次の3種類があり、シーンに合わせて使い分けます。
いつ起こるか分からない災害に備えて、自宅に常備してみてはいかがでしょうか。

  • 便座取り付けタイプ:自宅のトイレに設置して使う袋のタイプ
  • 持ち歩きタイプ:野外で使用するタイプ
  • 簡易トイレタイプ:簡易的な便座がついていて、便器が壊れている時も使用できるタイプ


備蓄トイレは可能であれば7日分、最低でも3日分は用意しておくと安心です。
1人1日5回トイレに行くとして、7日分であれば5×7=35回分。
4人家族なら35×4=140回分は用意しておきましょう。
便座取り付けタイプであれば、コンパクトなのでさほどスペースは取りません。

他に用意すべきもの

災害に備えて、備蓄トイレにプラスして次のようなものも用意しておくと、断水中でも比較的快適に過ごすことができます。

  • トイレットペーパー:1週間あたり1人1ロールを目安に。長期保存ができたり、コンパクトに収納できたりする災害用トイレットペーパーも増えています
  • 除菌ウェットティッシュ:断水で洗面所の水が出ない時、手を洗うのに便利です
  • 45Lのゴミ袋:便器内にセットすることで、備蓄トイレの袋が濡れるのを防ぎます
  • ヘッドライト:停電でトイレが真っ暗になっても、両手を塞がずに明るく照らすことができます


断水が復旧した後は何をする?

断水が復旧した後は、トイレをはじめ水回りの設備に異常がないか確認してから使用を再開してください。
具体的な手順は、次の通りです。

1.水道メーターを確認してから水栓を開く

断水時に閉めた水栓を開く前に、元栓の横にある水道メーターの動きを確認しましょう。
水栓を閉めている状態では水道メーターは止まっているはずですが、動いている場合は水栓か建物内の配管が破損しているかもしれません。
破損が疑われる場合、水道修理業者に連絡してください。

水道メーターが止まっているのを確認できたら、すべての蛇口を閉めた状態で元栓をゆっくり開きます。

2.順番に止水栓を開き、水を出す

次の順番に止水栓を開いて、水を出す作業を行います。
屋外の単水栓(なければ省略) → 洗面所・キッチン → 給湯器・洗濯機・トイレ


蛇口をゆっくりひねり、水が透明になるまで出し続けます。
洗面所やキッチンなど、水とお湯の切り替えができる設備では、必ずお湯ではなく水側にレバーを引いて水を出すようにしてください。

洗面所・キッチンで水がきれいになったことを確認した後、給湯器・洗濯機・トイレで同様の作業を行います。

トイレ復旧後の「エアーハンマー」に注意

断水から復旧した直後は、給水管内に空気がたまっていることがあります。
この空気が復旧後の水圧で圧縮され、トイレに流れ込むことで器具が破損する「エアーハンマー」が起こる危険性があります。

エアーハンマーを防ぐには、必ず上記のように洗面所やキッチンから先に水を出して空気抜きを行ってください。
給水管にエアー抜き弁がある場合は、エアー抜き弁を使って空気抜きができます。

断水復旧後によくあるトラブル

断水復旧後は、トラブルが起きやすいものです。
最後に、断水復旧後によくあるトラブルと解決策を紹介します。

水が濁っている

断水中、水道配管が空になっている間に空気や異物が入り込み、復旧後に濁り水が出てくる原因となります。
断水後すぐに水栓を閉めることである程度防ぐことはできますが、復旧後はどうしても水が濁りやすくなります。

「断水が復旧した後は何をする?」で紹介した手順の通り、水を出し続けることで水の濁りは解消されます。

水を数分間流し続けても解消されない場合、給水管のトラブルが考えられます。
この場合、水道修理業者に相談することをおすすめします。

水が出にくい・勢いが弱い

水が出にくい場合、断水中に水道配管へ入り込んだ異物が目詰まりを起こしているかもしれません。
止水栓を閉め、フィルターや吐水口に異物がつまっていないか確認してください。

フィルターのお手入れの方法は、お使いのメーカーや品番によって異なります。
取扱説明書を見ながら、フィルターのお手入れを行ってください。

トイレタンクに水がたまりにくい

トイレタンクに水がたまりにくい場合も、フィルターの目詰まりが原因として考えられます。
同じく、取扱説明書を参考にフィルターのお手入れを行うことで、不具合が解消する可能性があります。

ウォシュレットの水の出が悪い

ウォシュレットの水の出が悪い場合、まずは水量の設定を確認してください。
停電から復旧し、設定が初期化されているなどが原因で、普段よりウォシュレットの水量が少なくなっていることもあります。

設定が以前と変わっていないにもかかわらず水の出が悪い場合、ウォシュレット内にあるフィルターのつまりを確認してください。

まとめ

トイレの断水の主な原因には、メンテナンスや災害などがあります。
断水中でもバケツを使ってトイレの水を流すことはできますが、災害中は基本的に使用を控えた方が良いでしょう。

断水復旧後はいきなりトイレを流すのではなく、順を追って他の水回り設備からゆっくり水を出すようにしてください。

断水復旧後は、トイレのトラブルが起こりやすくなります。
自力で対処するのが難しい場合、水道修理業者に依頼しましょう。

断水復旧後は、少しでも早くトイレを使用したいはず。
すぐにトイレを使いたいなら、最短15分で出張可能な水道修理業者「水PRO」へご相談ください。

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