2022.07.22
排水つまり
排水口・排水溝のつまりが起こる原因と解消法について
排水口・排水溝のつまりが起こる原因と解消法について
排水口・排水溝のつまりをそのままにしてはいないでしょうか。排水口・排水溝がつまり、水の流れが悪くなってしまうと不衛生な上に使いづらさを感じるという方も多いかと思います。
そこで今回は、つまりの原因と解消法についてご紹介。
つまりが起きやすいキッチンやお風呂場を主軸に紹介していくので、現在お困りの箇所に合わせて、つまりの解消法を実践してみてください。
キッチンの排水口・排水溝つまりの原因
キッチンの排水口は家の中でもつまりが起きやすい場所です。まずはつまりの原因について見ていきましょう。
食材カスやヌメリ
キッチンの排水口・排水溝、ゴミ受けや排水ネットに食材カスがたまっていたり、ヌメリが起きたりすることによってつまりが起こります。食材カスやヌメリが見えない場合にも、排水トラップの奥に食材カスが溜まり、流れをせき止めているケースも考えられます。
また、ワントラップの裏側にヘドロ状の汚れが蓄積してつまりを引き起こしていることも。
食材カスやヌメリが排水管内に流れ込んでしまうと、他の汚れと結合し、大きな塊になってしまいます。
食材カスはできるだけ排水溝に流さずにゴミ箱に捨て、ゴミ受けや排水ネットをこまめに掃除するようにしましょう。
油脂
キッチンでの最大のつまり原因は油脂です。食べカスは手の届く範囲に溜まっていることが多く、掃除が簡単な一方で油脂はいつの間にか排水管内に溜まることも。
天ぷらや揚げ物の調理などで大量に使用した油は流さずにゴミ箱へ捨てている方が多いですが、食器についた少量の油はそのまま流されてしまう傾向にあります。
流れた油は排水管内に付着し、冷えて固まってしまいます。
そこに食材カスや洗剤カスが付着することで排水管をつまらせてしまうのです。
洗剤や石鹸カス
実は洗剤や石鹸といったものも、排水講がつまってしまう原因のひとつ。水と一緒に流れていくイメージのある洗剤・石鹸ですが、全てが水に溶けるわけではありません。
洗剤も油と結合して白っぽい色の粘度の高い塊になってしまいます。
この白い塊が排水講に付着することで、つまりを引き起こしてしまうのです。
洗面所の排水口・排水溝つまりの原因
続いて、洗面所の排水口・排水溝つまりについて紹介していきます。排水口つまりの原因は様々ですが、下記のいずれかに心当たりがある方は注意してください。
ヘアキャッチャー
ヘアキャッチャーは髪の毛のような異物が排水講に流れ込まないように設置するものです。このヘアキャッチャーを掃除しないでいると、髪の毛や歯磨き粉などが溜まって、つまりが引き起こされます。
目に見える表側だけでなく裏側が汚れているケースもあるので、外して確認してみてください。
排水トラップ(S字・P字)
洗面ボウルの下の、排水管が湾曲している部分を排水トラップと言い、その形状からS字トラップやP字トラップと呼ばれることもあります。排水トラップは、排水桝や下水道から上がってくる臭いを防ぐために設置します。
そのため、排水トラップが故障していると排水口付近から下水の臭いがします。
排水トラップの湾曲部分に汚れが堆積すると洗面台の水の流れが悪くなってしまうので、取り外して確認してみてください。
お風呂の排水口・排水溝つまりの原因
お風呂の排水口・排水溝では何が原因でつまりが引き起こされてしまうのでしょうか。他の箇所と同じようなつまりの原因もありますが、お風呂のつまりとしてより詳しく紹介していきます。
体毛
お風呂場の排水口がつまってしまう1番の原因が髪の毛や体毛です。男性しか住んでいない場合や髪が短い女性であっても髪の毛で排水口がつまることが多々あります。
そのため、もし家族に長い髪の毛の人がいる場合は、高頻度で掃除を行なわないと髪の毛で排水口がつまってしまいます。
人間の髪の毛は、自然に1日50本〜100本程度は抜けるといわれています。
特に引っ張られたわけでもなく、自然に抜けた髪の毛は床に落ちず、他の髪の毛に絡まって頭に付いていることが多いです。
お風呂場でシャンプーをした際に、抜けて絡まっていた髪の毛がシャワーで洗い流されるのです。
健康な方であっても、一度に数十本単位の髪の毛がシャンプーの時に流れていることになります。
お風呂の排水口には髪の毛を絡め取るためのヘアキャッチャーが備え付けられていますが、この部分は定期的に掃除しておくのが理想です。
たった数日であったとしても、驚くほどの髪の毛がヘアキャッチャーに絡みついているかもしれません。
毛が短い場合はそのまま流れていくことが多いですが、長いとすぐに絡まってしまいます。
また、髪の毛が原因で引き起こされたつまりの場合、洗剤のカスや皮脂などの汚れが後から付着します。
これが排水口や排水トラップをつまらせる大きな原因になってしまうのです。
お風呂を使った後に排水口のヘアキャッチャーについた髪の毛が気になったら、なるべく早い段階で掃除しておきましょう。
石鹸や洗剤のカス
お風呂場で使われた石鹸のカスや、シャンプーやボディソープといった洗剤のカスも排水口のつまりの原因になります。お湯と一緒に流れている時には特に問題なく流れていきますが、排水溝の中につまった固形物や髪の毛に付着・堆積していくと、白いドロドロとした塊になってしまいます。
こういった洗剤や石鹸由来の汚れは、市販のパイプクリーナーを使うことで簡単に解消することができます。
パイプクリーナーがない場合でも、お湯と重曹を使うことによって汚れを落とし、つまりを解消することも可能です。
この方法については後ほど詳しく紹介します。
皮脂や垢
毎日体を洗ったりシャンプーをしたりすることで、排水トラップや排水溝に皮脂や垢が流れ込み、管内に付着してしまいます。数回お風呂に入っただけでつまりを引き起こすということはありませんが、毎日お風呂場を使っていれば、少しずつ排水管の壁の内側や、排水トラップ内部に堆積していくでしょう。
皮脂や垢も髪の毛などに絡まってしまうと簡単につまりの原因になってしまいます。
特に一人暮らしの場合も、家族の人数が多いご家庭だと皮脂が原因でつまりが発生しやすくなるため、注意が必要です。
多くの方が入浴するお風呂の場合は、かなり速いペースで皮脂や垢が排水溝に溜まっていきます。
こまめに重曹などを使って排水溝の内部を洗浄しておくとつまりを予防することができます。
固形物
ヘアゴムやシャンプー等のつめ替え用袋の切れ端、カミソリの刃などのお風呂場に持ち込む物を排水溝に落としてしまった場合も、つまりの原因となります。袋の切り取った部分の小さな破片でも、お湯で流れてつまりの原因になることもあるので、袋などを開封する時には十分注意するようにしましょう。
水に溶けない小さなものが排水口に流れてしまって、いつの間にかつまりの原因になっているということは珍しくありません。
大きな固形物が排水溝につまっている場合は目視で確認できるため、早期に取り除きましょう。 しかし、小さな固形物が排水溝につまり、その固形物を中心に髪の毛や石鹸カス、皮脂などを吸着させている場合はすぐには気づけないかもしれません。
気づかぬうちに大きな塊となり、つまりの原因となるまで成長してしまうこともあります。
小さな物だから平気と思わず、固形物をお風呂場で落としてしまった場合は必ず回収するようにしましょう。
もし、自分で取り除けないほど奥まで固形物が入ってしまった場合は大きなトラブルに繋がってしまう前に専門業者さんに早期連絡が必須です。
排水桝・排水管のつまりは業者へ依頼
家の排水管から流れた水は、屋外に設置されている排水桝に流れていきます。排水桝は家中の排水管と繋がっているため、排水枡でつまりが起きてしまうと家中でつまりが発生してしまうことに。
もし現状、家全体で水の流れが悪いと感じる場合は、排水桝を開けて中を確認する必要があるかもしれません。
排水桝の中に油の塊やヘドロが溜まっているときは、それらがつまりの原因となっている可能性が高いので、汚れを取り除きましょう。
ただし、排水枡の清掃は不慣れな方も多いので、業者に依頼して清掃してもらうという方も多いです。
また、排水管でも定期的に清掃を行わなければつまりが発生します。
縦方向の排水管が長いマンションよりも、横方向の排水管が長い一戸建ての方が流れる水の勢いも関係してつまりやすい構造となっています。
排水トラップも排水桝も綺麗で水の流れが悪いという場合は、床下・壁内の排水管に問題がある可能性が高いでです。
地震や建物の経年劣化で水道管が動いて勾配が変化したり、排水桝に行く途中で木の根っこが排水管内につまってしまったりしている可能性もあります。
勾配の変化は排水管の敷き直し、木の根っこは除去と必要に応じて排水管の交換などの専門業者が行うような難しい作業が必要となります。
管理組合や管理会社により管理されているマンションにお住いの場合はこういった経験は少ないかもしれません。
しかし、一戸建てにお住いの場合は自身で定期的なメンテナンスを行う必要があります。
排水枡・排水管の作業は業者による修理が必要となるケースがほとんどです。
業者によって修理料金や提案される施工内容が違うこともあるので、いくつかの業者に見積りを取ってもらい、納得がいく業者に依頼しましょう。
排水口・排水溝つまりの解消法
排水口・排水溝つまりの原因について述べたところで、ここからは解消法について紹介していきます。自宅でできる簡単なものがほとんどなので、ぜひ試してみてください。
タオルとお湯でつまり解消
まずは、タオルとお湯を使った排水つまりの解消法から紹介していきます。手軽な方法で道具もすぐに用意できるお湯とタオルだけなので、すぐに試すことができます。
【手順】
- 排水トラップを外す
- 排水管の入り口にタオルをつめる
- シンクにお湯(50~60度)を溜める
- タオルを一気に引き抜く
軽度のつまりであれば、この方法でも排水つまりを解消することができます。
ただし、熱湯を使ってしまうと排水管を傷めてしまう可能性もあるので、お湯は必ず60度を超えない程度のものを使用しましょう。
この方法で解消できなかった場合は、液体パイプクリーナーの使用がおすすめです。
ペットボトルでつまり解消
ラバーカップの代用品として使えるのがペットボトル。使い方にすこしコツが必要ですが、ラバーカップを使った時と同様のつまり解消の効果が期待できます。
【手順】
- 排水トラップを外す
- 排水管とペットボトルの口を合わせる
- ペットボトル内の空気を出し入れする
コツは排水管とペットボトルの口をピッタリと合わせることです。
隙間ができてしまうと上手く空気を出し入れできなくなってしまいます。
サイズが合わず隙間ができてしまうという場合には、ペットボトルの口のまわりにタオルやハンカチを巻きつければ隙間を塞ぐことができます。
簡単でお金もほとんどかからないので、ぜひ試してみてください。
この方法での解消が難しい場合は次の方法を実践してみましょう。
針金ハンガーでつまり解消
油や洗剤カスのつまりが固まってしまっているような場合は、針金ハンガーを使ってみましょう。針金ハンガーを切って排水管に入れるだけですので、非常に簡単にできます。
【手順】
- 針金ハンガーをペンチなどで切って、持ち手部分以外まっすぐにする
- 排水トラップを取り外す
- 排水管にまっすぐにした針金ハンガーを入れる
- 排水管内でつまりにぶつかったら、つまりを貫くように刺す
- つまりに穴が空いた感触があれば水を流して確認する
つまりが針金ハンガーで届くような排水管の浅い部分で起こっていれば、この方法でつまりを解消することができます。
ただし、針金ハンガーが届かないほど排水管の奥の方でつまりが起こっている場合はワイヤーブラシといった専用の道具を使用しなくてはいけません。
また、切った針金ハンガーの先端は鋭利になっていることもあるので、手を切ったりしないように気をつけましょう。
重曹とお酢(クエン酸)でつまり解消
軽いつまりの場合は、重曹・お酢(クエン酸)・お湯を使った定番の掃除方法でもつまりを直すことが可能です。重曹などは、ドラッグストアやコンビニなどで誰でも手に入れられて家の掃除でも使えるので食用以外にも備えておくのがおすすめです。
分量は「重曹とお酢の割合が1:2」になるようにすると上手くいきます。
お湯の温度は先ほども紹介した通り、排水管を傷めない60℃を超えない温度のものを使用しましょう。
【手順】
- 重曹を排水トラップにふりかける
- 次にお酢を回すようにしてかける
- お湯とお酢を用意してかける
- 1時間程度放置してから水を流す
この方法で、軽度の排水つまりであれば解消することができます。
重曹とお酢を使えば除菌もできるので、つまりの解消以外に排水管の掃除をしたい時にもおすすめです。
ラバーカップ(すっぽん)でつまり解消
トイレなどで使うラバーカップは、台所でも使用することができます。しかし、衛生上トイレのラバーカップをキッチンで使うわけにもいきません。
キッチン専用のラバーカップがあるので、つまりが起きた場合は用意するのがおすすめです。
ラバーカップはつまり解消専用の道具なのでかなり効果的な方法となっています。
また、ラバーカップを持っている方でも少し間違った使い方をしていることがあるので、ここでは正しい使い方を知ってもらうためにもご紹介します。
ラバーカップは、つまりを押し込むものではなく引き抜くようにして使います。
このやり方を知っていれば、力の弱い女性や子どもでもつまりを解消できるのでぜひ試してみてください。
【手順】
- 排水トラップを取り外す
- 排水口を塞ぐようにラバーカップを密着させる
- 密着させた状態でゆっくりラバーカップを押し込み、一気に持ち上げる
- 3を繰り返す
- 水が流れるか確認して完了
家にラバーカップがない場合は、より扱いやすい真空式パイプクリーナーの購入を検討してみても良いかもしれません。
真空式パイプクリーナーでつまり解消
ラバーカップよりも楽でありながらも、より強力なつまり解消道具である真空式パイプクリーナーもおすすめです。業者専用の道具のイメーシがありますが、現在はホームセンターやネットショップなどで誰でも購入できます。
ラバーカップよりも力を必要としないのでご高齢の方にもおすすめです。
【手順】
- 排水トラップを取り外す
- 真空式パイプクリーナーをぴったり排水口に密着させる
- レバーを何度か上げ下げする
- 排水溝から真空式パイプクリーナーを引き上げる
- 水が流れるまで繰り返す
真空式パイプクリーナーのレバーを上げ下げするのに力が必要ないので、ラバーカップを上手く使えなかった場合にもおすすめです。
ただし、つまりが排水管の奥の方で起こっている場合は効果が薄いため、その場合はワイヤーブラシの使用を検討しましょう。
ワイヤーブラシでつまり解消
排水管の奥の方でつまりが起こっている場合は、ワイヤーブラシを使うことでつまりを解消できるかもしれません。ワイヤーブラシもホームセンターやネットショップで簡単に購入することができますが、先端のブラシの形状やワイヤーの長さは物によって様々です。
種類によっては料金も違うので、自宅に合ったものかどうか確認してから購入しましょう。
【手順】
- 排水トラップもしくは、シンク下の配管を取り外す
- 排水管の中にワイヤーブラシの金具がついた方を入れる
- つまりに穴を空けるようにワイヤーブラシを押し込む
- 配管は元に戻し水が流れるか確認
以上のようにすることで、ワイヤーブラシを使って排水溝・排水管奥のつまりを解消することができます。
しかし、ワイヤーブラシが届かないような排水枡に近い場所や排水枡自体がつまっている場合は自宅での対処は難しいです。
トーラーや高圧洗浄、排水枡清掃などが必要になるのでプロの水道修理業者に修理を依頼しましょう。
まとめ
排水口・排水溝のつまりの原因やその解消方法について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。排水口のつまりは頻繁に起きることはありませんが、身近な水道トラブルであり、誰もが遭遇する可能性があります。
こまめな掃除で予防できるのはわかっていても、実際はそこまで気を使っていられないという方も多いです。
また、汚れがつまった排水口の掃除というのは大変な作業のため、料金がかかってでも業者に依頼したいという方もいらっしゃいます。
既に排水口のつまりでお困りの場合はつまり修理を行い、綺麗な状態を保つことが大切です。
つまり解消はもちろん、専用器具を使った清掃もプロにお任せください。